世界三大穀物「コメ」
HEALTH
2025.09.25
世界三大穀物であり、日本国内においては霊的穀物としても重宝されている・・・🍚
そんな「コメ」について、池上先生に伺いました😊🖊
【コメ】
イネは、インド北部から中国中南部を原産地とし、アジアおよび世界各地で食用に広く栽培されているイネ科の一年草です。
我が国へは縄文時代中期頃に伝わったことが遺跡の出土品などから知られています。大々的に水稲栽培が行われ始めたのは、縄文時代晩期から弥生時代早期で各地に水田の遺構が存在します。
米は、イネ(稲)の果実である籾から外皮を取り去った粒状の穀物で、トウモロコシ、小麦とともに世界三大穀物です。
米穀とも呼ばれて、東アジア・東南アジア・南アジアでは一般的に主食として扱われています。麦などの他の穀物に比べて栄養価が高く、ほぼ完全食であり、大量に収穫できることから、アジアの人口増大を支える原動力となったといわれます。
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「イネ」
📷池上先生撮影📷
日本の農業において、米は最重要の農産物であり、農産物全体に占める生産額の割合は、単一の作物としては最大です。
また日本文化においては、米は単なる食糧品に止まらず、古神道や神道における稲作信仰に起因する霊的価値を有する穀物です。地鎮祭や上棟式、また日本各地の祭りで、御神酒や塩などと並び供物として奉納されます。
近年、我が国の気候にあわせたイネの品種改良が進んで、各地で天然水に育まれた個性豊かな美味しい米が生産されるようになりました。
新米の季節はありますが、特段の旬はありません。米は主に水分を加えて加熱調理します。胚芽部分には脚気を予防するビタミンB1などが豊富に含まれていますので、種子の全体を食べることが重要で、胚芽米や玄米がお勧めです。
米穀粒の75%以上はデンプンで、ほかにオリゼニン、アミラーゼなどのタンパク質、ビタミンB1などを含みます。我が国では玄米及び精米品質表示基準で、デンプンの性質(糯粳性:もちうるちせい)により、うるち米ともち米に分けています。
うるち米はデンプン分子が直鎖のアミロース約20%と分枝鎖のアミロペクチン約80%からなる米で、通常の米飯に用いられます。団子などの材料とする上新粉は、うるち米を粉末に加工したものです。
もち米は、デンプンにアミロースを含まずアミロペクチンだけが含まれる米です。餅や強飯(おこわ)に用いられます。白玉の材料とする白玉粉や和菓子の材料とする寒梅粉はもち米を粉末に加工したものです。
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「イネの稲架掛け」
📷池上先生撮影📷
漢方では、うるち米の玄米を粳米(こうべい)として用います。性味は甘・平で、補気・健脾・止渇の効能があるので、胃腸を調え、元気をつけ、口渇や下痢に用いられます。
食文化が多様になった現代においても、やはり日本人の主食といえば米です。
玄米とは白米に精米する前の状態のお米のことで、違いは糠(ぬか)が付いているかいないかです。我が国の農芸化学の第一人者である鈴木梅太郎博士が、糠と玄米には脚気を予防して回復させる成分があることを認め、イネの学名の「Oryza」に因んでオリザニンと命名したチアミン(ビタミンB1)を発見した話は有名です。
糠には食物繊維やビタミンB群、ミネラルなど、糖質の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を抑えたり代謝を促したりする成分が含まれますので、栄養面で見ると精米せずに玄米のまま食べたほうが良いといえます。ただ、米以外のおかずでそれらの栄養を補えば問題ありません。
ビタミンB群やミネラルは、肉や魚介類などからの方がむしろ効率良く摂取することができます。
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「いただきます!」
📷池上先生撮影📷
とても美味しそうな食卓のお写真に食欲がそそられます!✨
昨今では話題に事欠かない「コメ」ですが、やはり積極的にいただきたい食材であることが改めて分かりました😊
糖質制限をされている方も、栄養バランスを保つために、是非召し上がってみてください!
池上先生、ありがとうございました🌹
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