夏の疲れ予防に「ニラ」

HEALTH

2025.06.24

暑くなると食欲が落ちて、ついつい冷たいもので身体を冷やし過ぎてしまいますよね💦

そんな時に、手軽に入手できて食べてもさほど胃が重たくならない、万能な緑黄色野菜があるのです・・・🥗

夏の疲れ予防に是非召し上がっていただきたい「ニラ」について、池上先生に伺いました😊🖊

 

【ニラ(韮)

 

これから迎える暑い夏、食欲も落ちてあっさりしたもので冷たいものばかり食べていると、秋の気配が感じられる頃になると体調を壊しがちです。

食事は満腹にするのが目的ではなく、健康な生活を送れる体をつくるのが目的です。

このようなとき、旬のニラを活用してください。

卵とじ、ニラ雑炊やニラレバ炒めは、疲れて食欲がなく体調がすぐれないときの定番食です。小さく刻みミキサーに入れてミルクとともに混ぜ、蜂蜜などを加えたニラジュースも良いでしょう。

氷を加えて冷たくすると臭いが少し弱くなり飲みやすくなります。

ニラの香りは胃液の分泌を盛んにしてくれるので、消化吸収力の落ちた暑い夏には最適です。

また、細菌への抵抗力を増強する作用もありますので、食中毒の起きやすい時季の素材としても最適です。

 

「ニラ種子」

📷池上先生撮影📷

 

ニラ(韮)の原種は、中国北部からモンゴル・シベリアに自生するヒガンバナ科(旧ユリ科)の多年草で、紀元前から栽培化されたと考えられています。

我が国には古い時代に中国から渡来し、今日では在来種の他に葉幅が広いグリーンベルトやジャンボなどの多くの品種が栽培されています。

『古事記』に加美良、『万葉集』では久々美良と記載があるように、古代においては「みら」と呼ばれていたものが転訛形「にら」となって現在に至っています。

方名では、ふたもじ(二文字:千葉県上総地方)、にらねぎ(韮葱:静岡県、鳥取県などの一部)、んーだー(沖縄県与那国島)などがあります。江戸時代の『農業全書』には植えることが書かれていますが、我が国でニラが食卓に上がるようになったのは明治時代以降です。

 

「ニラ」

📷池上先生撮影📷

 

葉茎はβ-カロテンやビタミンA・C、カルシウム、リン、鉄などのミネラルに富み、β-カロテンは1把(約100g)でほぼ一日の必要量が摂れる量が含まれ、非常に栄養価の高い緑黄色野菜です。

全草に独特の臭いがあるため、禅宗などの精進料理では五葷(ごくん)の一つとして忌避されます。臭いの原因物質は硫化アリル(アリシン)などの硫黄化合物ですが、この硫化アリルがビタミンB1と結合してその吸収を良くし、代謝機能、免疫機能を高め、疲労回復に役立つので、スタミナが付く食材として利用されています。

また、整腸作用があり、昔より胃腸(特に下痢)に効く野菜として親しまれ、症状が重い時はニラの煮汁を飲んでも効果があります。特徴的な香りの刺激で体が温まることも知られています。

漢方では、種子は韮子(きゅうし)という生薬で、腰痛、遺精、頻尿、帯下に用い、葉は韮白(きゅうはく)という生薬で、強壮、健胃整腸に用い、肌が弱い人の浴湯料とします。

細長くまっすぐに伸びた葉は加熱すると柔らかく、和食で汁の実や薬味、お浸しなどに、また中華料理、韓国料理に用いられます。若い花芽もおひたしや炒め物、天ぷらとして食べることができます。油との相性が良いので炒め物に適し、中華料理では単独や他の野菜や肉、レバーと合わせた炒め物、焼きそば、また薬味として刻んで餃子や饅頭などに使用します。

 

「ニラ」

📷池上先生撮影📷

 

疲れの出やすい時期にスタミナをつけてくれる「ニラ」

餃子や炒め物、お味噌汁や卵とじなどに入れると、無理なくお箸が進みそうです😊✨

池上先生、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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