かつては高級食材!心身を整える「バナナ」
HEALTH
2025.02.20
見ているとなんだか元気になれそうな黄色。
洗わなくても切らなくても、皮をむけば片手で食べられる手軽さ。
幼い子供からお年寄りまで、だれもが親しみやすい柔らかさと甘さ🐻
物価高の昨今でも、1年を通して価格が安定しているのが嬉しい。
そんな心身に嬉しい「バナナ」について、池上先生に伺いました🍌
【バナナ】
熱帯アジア、マレーシアなどを原産地とするバショウ科の多年生植物で、果実を食用とする品種群の総称です。
バナナ(甘蕉、実芭蕉)の栽培の歴史はパプア・ニューギニアから始まったと考えられています。「バナナの木」といわれるように高さ数mになりますが、実際には草本であり、その意味では正確には果物ではなく野菜(果菜)に分類されます。
バナナは世界で最も古い栽培植物の一つで、我が国では古くは芭蕉(ばしょう)と呼ばれましたが、実を食するものは実芭蕉とも呼ばれて、食用果実として非常に重要です。
ブドウ糖や果糖など、消化吸収されやすい糖質を多く含み、消化が良くて即エネルギーになるため、病人や運動時のエネルギー源として最適です。
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「バナナ果実」
📷池上先生撮影📷
数多くの栽培品種がありますが、現在、国内のスーパーなどで一般に売られているのは、世界で生産されるバナナのほぼ半数を占めるキャベンディッシュ種で、主にフィリピンから輸入されます。
太さを保ちつつ長さもある大型のバナナで、皮は厚くきれいな黄色になります。
我が国に台湾バナナが初めて輸入された20世紀初頭は、一般人が入手出来ない高価な希少品でしたが、1963年にバナナ輸入が自由化され、フィリピン産バナナが台頭するなどして安価な普及品へと変化してきました。国内では南九州、沖縄県を中心に栽培されていますが、最近、岡山県の農業法人が凍結解凍覚醒法で栽培した「もんげーバナナ」が販売されています。
可食部(果肉)には、炭水化物のフラクトオリゴ糖、ビタミンのナイアシン、ビタミンB6、ミネラルのカリウム、マグネシウム、リン、食物繊維などが含まれます。フラクトオリゴ糖は腸内環境を整えて便通を整え、がんや動脈硬化の予防に有効です。高血圧を予防するカリウム、精神を安定させるセロトニンやノルアドレナリンなども豊富です。
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「バナナの花」
📷池上先生撮影📷
『本草綱目捨遺:ほんぞうこうもくしゃい』にバナナの果実は「香蕉:こうしょう」と収載され、性味は甘、寒で、熱を除き、腸を潤し、解毒する効能があるので、熱病による煩渇、便秘、痔血を治すために生食するか煮て食べるとよいと記されています。特に、痔血の治療には皮ごと煮て食べます。果皮や根茎も薬用になり、根茎をつき潰した汁は産後の血行不良による腫れものに服用します。果皮には抗菌作用があります。
民間では、病後食や日頃の滋養食として食べますが、がんや動脈硬化の予防も期待できます。胃弱の人は多食すると胃腸障害を起こす場合があります。
通年で購入できます。全体に黄色くなり、表面に褐色の斑点(シュガーポット)が出ると食べ頃です。牛乳と一緒に摂ると、免疫力が高まり、血圧降下作用もアップします。低温に弱いので、冷蔵庫には入れずに常温で保存します。
一方、バナナの葉は調理器具や食器として用いられ、また、熱帯地方では簡易な家屋の屋根を葺く材料としても使用されます。沖縄ではバショウ科のイトバショウの葉の繊維で芭蕉布が織られています。
松尾芭蕉が俳名を「芭蕉」にしたのは、門人の李下から芭蕉の株を贈られ大いに茂ったことに因みます。
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「バナナ」
📷池上先生撮影📷
一年を通して、私たちの生活に馴染み深い「バナナ」
こんなにも心と身体に嬉しい効果があるのですね🥰池上先生、また次回のコラムも楽しみにしております!
そして今回のコラムでは大切なお知らせが・・・✨
【🎤池上先生ラジオご出演情報🎤】
放送局:NHKラジオ第2放送「日曜カルチャー」
日時:2025年2月の毎日曜日20時~
聴き逃し配信:らじるらじる(検索ワード:池上文雄)
タイトル:「食卓に活かす漢方の知恵」
既に第1回の放送は終了しておりますが、聴き逃し配信中です!
普段の生活を見直して、心と身体を整えることについて、すぐにでも実践できる情報を分かりやすく教えてくださっています✨
是非、皆さまお聴きくださいませ😊💗
■旬の食材で薬食ライフ 過去の記事
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