紀元前から現代まで親しまれている健康食「クルミ」

HEALTH

2024.09.25

健康意識が向上している現代において、低GIやヴィーガンなど「食生活」を整えている方がとても多いです!

健康的な食生活において、用いられることが多いのがナッツ🥜

なんと紀元前から健康食として人々の生活に密接に関係していたナッツがあるそうです😊

そんな古くから親しまれているナッツの代表ともいえる「クルミ」について、池上先生に伺いました🖊

 

【クルミ(胡桃)】

 

原産地はイラン、中国、日本、北米などで、我が国で一般にクルミといえば日本古来種のオニグルミ(鬼胡桃)とその変種のヒメグルミ(姫胡桃)を指します。

山地の谷川沿いの斜面などに自生するクルミ科の落葉高木で、大きな羽状複葉の間から果実が覗き見られます。

和名は果実が熟すると黒くなるのでクロミと呼ばれていたのが転じてクルミになったといわれています。クルミの歴史は古く、紀元前7000年頃より食べられており、その中心はペルシャグルミです。

 

ペルシャグルミ🐿💕

📷池上先生撮影📷

 

果実は黄緑色で細毛に覆われ、中に硬い核があり、その中に褐色の薄い種皮に包まれた白色の子葉(種子)があり、これが食用となります。

遺跡からクルミの殻(核)が多量に出てくることがあり、縄文人もオニグルミを健康食として食べていたかも知れません。

殻が硬くて割りにくいので、土中でも残っていたものと思われます。なお、我が国の樹木にサワグルミ、ノグルミがありますが、いずれも果実は食用にはなりません。

ヨーロッパ東部から西アジアが原産のペルシャグルミ(カシグルミ)はシルクロードを経て4世紀に中国に伝来し、栽培化し淘汰されてテウチグルミ(胡桃)となりました。

平安時代の『本草和名:ほんぞうわみょう』では、オニグルミを和名で「久留美」と呼んで、これに中国の胡桃(ことう)の漢字を当てています。

久留実は、幾久しく美しさを留めるという縁起のよいものなので、自然の健康食品としてお菓子などにも愛用されています。

 

 

オニグルミの花🌼

📷池上先生撮影📷

 

近年では、殻が薄くて割りやすく食用部分が多いテウチグルミ(カシグルミ)、シナノグルミ(信濃グルミ)などが食用に栽培され、長野県東御市が収穫量日本一です。また店頭に並んでいるものにはアメリカを始めとする外国産のクルミも多くあります。

種子(胡桃仁:ことうにん)にはリノール酸やリノレン酸、オレイン酸などの脂質が約70%、タンパク質、ブドウ糖、ビタミンB1・E、ミネラルのカリウムやマグネシウム、亜鉛などが含まれます。

脂質を多く含み栄養価が高く、またリノール酸やリノレン酸には血液中のコレステロールを低下する働きがあるので、疲労回復や病後の回復、高血圧や糖尿病の予防に1日2~3個食べるとよいとされます。

また、老化を抑制するビタミンEを含むクルミの摂取は認知機能を向上させる可能性が示唆されています。そのまま食べてもよいですが、すり鉢で擦って味噌に混ぜたり、和え物にしたり、粗く刻んでサラダに振りかけてもおいしく食べられます。

秋、熟した果実を集めます。土中に埋めて果実を腐らせ、水洗いして外果皮を除き、硬い殻ごと鍋などで炒り、殻が割れたら中の種子を取り出して乾燥します。

 

オニグルミの核✨

📷池上先生撮影📷

 

料理を工夫して、1日量はわずかでも日常の食生活にとりいれるとよいでしょう。菓子用などに使われるクルミはもっぱらテウチグルミです。

なお、クルミでアレルギーを発症する人もいるため、食品表示法の加工食品におけるアレルギー表示にクルミが追加されました。

因みに、固くて簡単に割れない殻を割るために専用道具のクラッカーがあり、中でも「クルミ割り人形」は、人形の頭に模したくるみ割り器にクルミを挟ませて噛み割るように見せかけた道具です。

 

ヒメグルミの果実🎀

📷池上先生撮影📷

 

池上先生のお写真にて、クルミが木になっているところを初めて見る方も多いのではないでしょうか?

食べ過ぎると脂質過多になりますが、美容にも健康にも最適で度々mocaでも記事になるナッツ🥜

中でもクルミは紀元前から、人々の健康食であったことが分かりました!積極的に毎日いただきたいですね😊🍚

池上先生、また次回も「薬食ライフ」を楽しみにしております✨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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