疲労回復に香り高い「紫蘇」をいただく

HEALTH

2024.08.08

この酷暑でどうしてもパワーが出ない😿💦

そんな時には、梅干しや、しば漬けで塩分補給をしながら疲労回復が出来たら嬉しいですよね!

また、爽やかな香りが夏の食欲不振を改善してくれる・・・そんな夏に嬉しい食べ物に一役買っている

「紫蘇」について、薬学博士の池上先生に伺います🌻

 

 

 

 

【紫蘇】

ヒマラヤから中国中南部が原産とされるシソ科の一年草で、日本には古くに中国から伝わり奈良時代から栽培が行われています。現在ではアカジソ(赤紫蘇)、アオジソ(青紫蘇)、チリメンジソ(縮緬紫蘇)などの多数の品種や栽培品種があります。

古代から薬用や食用とされ、香りが大変良いので、食欲を蘇えさせたとのことです。後漢の末期、蟹の食べすぎで食中毒を起こして死にかけた若者に、名医・華佗(かだ)が薬草を煎じ、紫の薬を作って飲ませたところ、若者はたちまち回復したという逸話から、「紫」の「蘇る」薬だというので、この薬草をシソ(紫蘇)と呼ぶようになったといわれています。

 

「赤ジソ」

📷池上先生撮影📷

 

葉にはβ-カロテン、ビタミンB2、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素を非常に多く含み、特にβ-カロテンの含有量は野菜の中でトップクラスです。また、特有の香りと辛味があるペリルアルデヒド、ポリフェノールのロスマリン酸、フラボノイドのルテオリン、アントシアニン色素のシソニンなどを含みます。

漢方では、主にアカジソ系の葉を蘇葉(そよう)といい、性味は辛・温で、抗菌・解熱作用や鎮静作用があるので、発汗や気を巡らす目的で香蘇散(こうそさん)などに配合されて胃腸型の風邪に用いられます。

また、嗅覚神経を刺激して胃液の分泌を促し、食欲を増進させる作用があるので、食欲不振や姙娠悪阻(つわり)にも効果があります。魚介類による食中毒やじんま疹にも用いられます。

 

「青ジソ」

📷池上先生撮影📷

 

民間療法では、葉の煎じ液を抗精神不安や、風邪による発汗・鎮咳、扁桃炎、口内炎、健胃整腸、下痢などに用います。紫蘇酒をつくって飲むと冷え症や疲労回復などに効果があります。

種子から採ったシソ油には抗酸化作用のあるα-リノレン酸を多く含むので、咳、喘息、便秘などの治療に用いるほか、最近ではアレルギー疾患に有用な健康食品としても注目されています。

近年、アカジソの葉エキスに花粉症などのアレルギー症状を改善する効果が認められ、シソジュースが脚光を浴びています。

 

「梅干シソ漬け」

📷池上先生撮影📷

 

赤い梅干は日本人の食の故郷、日本独特の保存食です。その赤い色は日本人の英知が作り出したシソのシソニンと梅のクエン酸の放つ健康シンボルカラーです。

春から夏が旬です。通常、食用にするのは赤ジソと青ジソです。赤ジソの葉は梅干し、しば漬などの漬物に用います。乾燥させたものは、ハーブや香辛料として七味唐辛子やふりかけなどに用いられます。未熟な実を付けた「穂ジソ」、花が開きかけの「花穂ジソ」は刺身の薬味に用います。刺身の薬味にするのは、単なる飾りではなく魚の生臭さをとり抗菌性を利用して食中毒を防ぐという先人の生活の知恵です。湯で煮て砂糖を加えてシソジュースにして飲むと、花粉症や夏バテなどに効果があります。

青ジソは普段は大葉(おおば)と呼ばれ、成分化学的には赤ジソとさほど大きな違いはありません。もっぱら、葉や花穂を香味野菜として刺身の薬味や天ぷらなどにして食べます。未熟な実は、茎からこそげ落として食用とし、乾燥させて茶漬けなどの風味付けに用いたり、塩や醤油で漬物にしたり、穂ごと天ぷらにしたりして食べます。プチプチした食感と独特の風味があります。

 

「しば漬」

📷池上先生撮影📷

 

夏は食欲不振になりがちですし、熱中症予防には塩分補給も重要です!そんなときに大活躍する紫蘇を日々の生活に取り入れてみましょう😊

池上先生、また次回も「薬食ライフ」を楽しみにしております✨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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