暑い時期の贅沢デザート「スイカとメロン」

HEALTH

2024.07.12

暑い時期にはアイスクリームやかき氷など、ひんやりスイーツが恋しくなりますが

薬食ライフでは、スイーツにも負けない夏の贅沢なデザート「スイカとメロン」について、池上先生に伺います🍈🍉

 

スイカ(西瓜)とメロン(甜瓜

スイカは熱帯アフリカ原産で、我が国には江戸時代初期に渡来し、現在では食用として各地に栽培されるウリ科の雌雄同株のつる性一年草です。7~8月、球形の大きな果実は径約30cm、重さは5~7㎏にもなります。
果皮は緑色で黒みを帯びた縦縞があり、多くは果肉が赤です。果実が小さい品種や果肉の黄色い品種などもあります。

 

 

江戸時代の書物には、「水瓜(すいか)すなわち西瓜のこと」とあり、瓜の中で水分が多いところからの呼び名です。
冷たい井戸水に冷やしたスイカを縁側に座って食べるといった「日本の夏を彩る果物」といわれますが、園芸分野では野菜の扱いです。

果実には果糖、ブドウ糖などの糖類、ビタミンB6・C、カリウム、マグネシウムなどのミネラル類、アルギニン、シトルリンなどのアミノ酸類、β-カロテン、リコペンなどを含み、種子にはククルビトール、フィトステロールなどを含みます。

 

大玉の立派なスイカ🍉

📷池上先生撮影📷

 

スイカは水分ばかりのようですが、栄養価は高く、学名に由来する特異なアミノ酸のシトルリンには強い利尿作用があり、果肉の色素成分のβ-カロテンやリコペンには抗酸化作用があって生活習慣病を予防し、カリウムは腎臓の働きを助け、むくみの解消や高血圧の予防に有効です。

漢方では、果実・果皮・種子には口の渇きを止め、小水を利して暑熱、酒毒を解する効能があるので、急・慢性腎炎、小便不利、水腫などに用いられます。

民間では、腎炎や水腫、妊娠中のむくみに果肉を食べるか、成熟果実の果汁を煮つめて水あめ状にした西瓜糖小さじ1杯を200mLの湯に溶かして1日3回食間に飲みます。スイカには体の熱をとる作用があり、また果肉に含まれる果糖は体内でエネルギーに変わりやすいので、暑気あたりにはスイカを食べると速やかな疲労回復効果が得られます。
原産地のアフリカでは、水分補給と共に滋養強壮や腎機能の維持のために食べるということがうなずけます。

 

 

7~8月が旬、夏の水分補給に果実をよく冷やして食べるとよく、また油を使った料理の後に食べると、脂溶性のリコペン、カロテンの吸収率が高まります。
果実の内皮を炒め物などに調理して食べれば夏の暑気を払う食品となります。

西瓜糖は生の果肉を細かく刻んでとろ火で煮詰め、漉して滓(かす)を除き、水あめ状になるまで煮詰めてつくったもので、冷えてからビン詰めにして保存します。

 

スイカの栽培風景🍉

📷池上先生撮影📷

 

一方、スイカと同じくウリ科の一年草でインド原産のメロンは、中近東を経てヨーロッパに渡った西洋系品種と、中国で広まり古くに我が国に渡来したマクワウリ(真桑瓜)などの東洋系品種があり、数世紀におよぶ品種改良が行われて各地で栽培されています。

 

 

現在、メロンと呼ばれる果実は、甘味や香りが強い西洋系メロンが主流で、甘味や香りがない東洋系メロンはウリと呼ばれています。果皮は緑色や黄色、白色などがあり、無地のほかネットメロンと呼ばれる網目模様のものや縦縞模様が入るメロンもあります。

栄養的にはビタミンCやカリウムが豊富なのが特徴です。成熟果実は、甜瓜(てんか)と呼ばれ、利尿・清熱薬として小便不利、止渇などに用いられます。
現在では、アンデスメロンやタカミメロンなど多くの品種が栽培、市販されていますので、生食するとよいでしょう

 

メロン栽培の光景🍈

📷池上先生撮影📷

 

食べ比べも楽しいメロン🍈

📷池上先生撮影📷

 

スイカもメロンも比較的高価なフルーツですが、アイスクリームやかき氷をいただくよりも健康的で、美容にも良いことが分かりました!

酷暑まっさかりの今こそ贅沢なデザートとして、スイカやメロンを食卓に並べてみてはいかがでしょうか?🌻

池上先生、また次回も「薬食ライフ」を楽しみにしております✨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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