食卓の名脇役「ワサビ」
HEALTH
2026.03.04
お寿司やお刺身をいただく時の必須であり、お肉やお蕎麦にも合う・・・!
主食やメイン食材になることはありませんが、間違いなく名脇役🍃
そんな「ワサビ」について、池上先生に伺いました😊🖊
【ワサビ】
ワサビ(Eutrema japonicum)は日本原産の植物です。北海道から九州まで、山間の涼しい地方の渓流や湿地に自生し、また各地で栽培されています。アブラナ科の多年草で、根茎が太く肥厚します。
根生葉は長い柄があり、花期は3~5月で苞葉のある総状花序に白色の十字状花が咲きます。
現在、静岡県、長野県、東京都(奥多摩)、奈良県などで栽培されています。
飛鳥時代の遺跡から見つかった木簡に「委佐俾(わさひ)」の文字があり、平安時代の『和名抄』には山葵(さんき)と和佐比(わさひ)と記され、『延喜式』では山薑(さんきょう)とされ、さらには『大和本草』に「其葉賀茂葵に似たり、其根形味生薑に似たり。故に山葵山薑の名あり」とあって、「山葵」の表記は葉が葵(あおい)に似ていることに由来します。
また、『本朝食鑑』には「家々、国々に多く植えられていて、四時いずれの時にも根を採り用いる。子(たね)を種(う)えるよりは根を種える方がよい。冬月は根を採るのに最もよい」などとその栽培法まで述べられています。
日本的な辛さが江戸時代も好まれたことが窺われます。

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「ワサビ栽培品」
📷池上先生撮影📷
ワサビは古い書物には薬草としての記述があり、室町時代にはすでに刺し身の薬味として用いられていました。ワサビの辛味は「胃の消化を助け、魚毒を消す」といわれて、抗菌作用や食欲増進効果などがあり、今や英名も「wasabi」と、世界的にも我が国を代表する薬味となっています。
旬は周年ですが、特に秋から冬、根茎を掘り取り、水洗後に擦りおろして用います。
擦りおろしたワサビは直後に小分けして冷凍保存すれば必要時にほぼ新鮮な状態で使用できます。若葉は必要時に採取します。
根茎にはシニグリン、アリルイソチオシアネートなどの辛味成分や精油、タンパク質、炭水化物、ビタミンCなどが含まれ、香辛料として優れ、食欲増進効果、防腐殺菌力が強いので、生ものの刺し身や寿司、そば、漬物、菓子などに利用されます。
茎葉にも同様の成分が含まれていて、地方の伝統野菜として食べられ、またワサビ漬けとして食用にします。
民間では、根茎を擦りおろしたものを布に薄くのばして患部に貼り、リウマチ、神経痛、扁桃炎に用いますが、刺激が強いので水で薄めるなど量を加減する必要があります。特に胃炎や胃潰瘍の方は使用しないほうが良いでしょう。
また、擦りおろしてから搾った汁は、魚鳥肉の食中毒予防に効果があるとされます。

わさび畑(静岡県 伊豆半島)
日本で栽培・利用される品種は本ワサビとも呼ばれますが、市販されている粉わさび、練りわさびは、ワサビとは違うヨーロッパ原産のセイヨウワサビ(ワサビダイコン)の根を粉末にし、葉緑素を混合した加工食品です。
セイヨウワサビは、ワサビの代用として栽培されますが、根茎が太くて大きく、シニグリンなどの辛味成分を含み、香辛料のほかに食欲増進薬、引赤薬(いんせきやく:皮膚に軽い刺激を与えてその部分に血液を集める作用のある薬)として使用されます。ヨーロッパでは古くから香辛料などに用いられていて、ホースラディシュとも呼ばれます。

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「セイヨウワサビ」
📷池上先生撮影📷
名脇役として、日本の食卓になじみ深い「ワサビ」
殺菌効果や食欲増進などの働きを持つことが分かりました。
お刺身などデリケートな食材に添えられているのは、単にお味を楽しむためだけでないのだと、改めて先人の知恵に感謝しなければなりませんね😊✨
「サビ抜き」という言葉があるほど、苦手な方もいてお子様には刺激の強いワサビですが、ありがたい作用を持つ食材なのです🍚

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