焼いても蒸しても揚げても美味しい「サツマイモ」

HEALTH

2025.10.28

芋栗南瓜の美味しい季節・・・!

素材本来の甘みが豊かで、お食事にもおやつにもぴったりの食材🍠

そんな「サツマイモ」について、池上先生に伺いました😊🖊

 

 

【サツマイモ】

 

中南米原産で、ヨーロッパ、中国、日本などへ広まり、世界各地で栽培されているヒルガオ科のつる性の多年草です。

我が国へは17世紀初めの江戸時代に琉球王国(現・沖縄県)を経て薩摩国(現・鹿児島県)に伝わり、そこで栽培されたことから「サツマイモ」と呼ばれるようになりました。

別名で甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも)といわれますが、甘藷は「甘味のある芋」、唐芋は「中国から伝わった芋」という意味です。英語ではSweet potato(スイートポテト)といいます。

 

高温や乾燥に強く、痩せ地でも良く育つ丈夫な野菜で、塊根(芋)は食用とされるほか、焼酎原料や飼料に利用されます。

蔓や葉は、福岡県や沖縄県などの一部地域や韓国や東南アジア諸国などで食べられています。

芋の皮の色は紅色や赤紫色のほか、黄色や白色があり、中身は主に白色から黄色で、中には橙色や紫色になる品種もあります。

特に全体が紫で、芋の中身がアントシアニンに由来して紫色のサツマイモを紫芋と呼んでいます。

 

 

「サツマイモ栽培」

📷池上先生撮影📷

 

旬は9~11月、掘りたてより貯蔵後が甘いため、2か月ほど貯蔵して熟成させ、糖度が増して美味しさが充実してから出荷されます。

焼いたり、蒸したりと加熱しただけで食べられます。主食のほか、煮物、天ぷら、スイートポテトや大学芋などの菓子に、また裏ごしして栗きんとんなどに調理・加工されます。

60~70℃程度で長時間かけて加熱すると、デンプンを麦芽糖に糖化する酵素の働きが活発になり甘味が増すため、石焼き芋やふかし芋は甘味をストレートに最大限引き出す調理法です。

 

栄養価は高く、生の場合の可食部100gあたりのエネルギー量は132kcal、水分は約66%で、三大栄養素のほかにビタミン、ミネラルなどが含まれています。炭水化物の約8割はデンプンで、良質なエネルギー源となります。

甘味が強いのでカロリーが高めと思われがちですが、米飯とのカロリー比較で約0.8倍です。サツマイモを食べるとガスが出やすいのは消化しきれないデンプンが食物繊維として残るためといわれますが、健康を保つための大切な働きもしています。ビタミン類はB1・B6・C・Eをバランス良く含んでいて、特にビタミンCはリンゴの5倍以上とされ、加熱してもデンプン質によって熱から守られて壊れにくいという特長があります。

水溶性・不溶性ともに豊富に含まれる食物繊維はジャガイモの約2倍で、切り口からにじみ出る白い液体のヤラピンの働きで腸の働きを活性化し、便秘の解消に効果的な食材といわれます。大腸がんや糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防にも効果が期待されています。芋の中身が黄色の品種はβ-カロテンを多く含み、紫色の品種はアントシアニンを含んでいます。

 

 

「サツマイモ」

📷池上先生撮影📷

 

 

ミネラル類では、体内の余分な塩分を排出するカリウム、鉄欠乏性貧血の予防に欠かせない鉄、赤血球を作るのに欠かさない銅、性ホルモンの合成を助けるマンガンなどに富んでいます。

栄養的には多くの野菜を摂ったのと同様の効果がありますが、サツマイモには緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンの量が少なく、エネルギーが高いため、肥満を気にする人は食べる量に注意する必要があります。

民間療法では、塊根を蕃薯(ばんしょ)と称し、繊維質が多く、胃腸を温める作用があることから、疲労倦怠、食欲不振、便秘に有効とされ、煮たり焼いたりして食べます。特に冷え症の人の便秘に良いとされます。

 

 

「蒸かし芋」

📷池上先生撮影📷

 

 

食卓の主役にも、優秀な間食にもなる万能食材🍠

お米よりも低カロリーで食物繊維も豊富ですので、代替食品としても有効に活用できそうですね😊✨

是非秋のおたのしみに、サツマイモを取り入れてみてはいかがでしょうか?

池上先生、ありがとうございました🌹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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