人気ランニングトレーナー三浦直樹さんが教えます!ランニングでダイエットを成功させる秘訣
HEALTH
2022.02.07
ランニングでダイエットを成功させる秘訣
ランニングを始めるきっかけは人それぞれですが、この記事を読んでいる方の中にも「ダイエットのためにランニングを始めた!」なんて人は多いのではないでしょうか?
とはいえ、実際にダイエット目的でランニングを始めてみたけど・・・
「思っていたより効果が感じられない・・・」
「モチベーションを維持するのがしんどい・・・」
「どれくらいの頻度で走るのが一番痩せる?」
「もっと痩せるにはどうしたら良い?」
など、さまざまなお悩みや疑問を抱えている人も少なくないはず。
そこで今回は、”ランニングでダイエットを成功させる秘訣”と、せっかくの努力を無駄にしないように、より効率的に痩せるために必要な基礎知識をいくつかご紹介していきたいと思います。
そもそも「痩せる」メカニズムって?
まずは、基本的な知識として、”人間の体重が減るメカニズム“についておさらいしてみましょう。
一般的にランニングでダイエットをする場合、体重が減るという現象は次の3パターンが考えられます。
① 水分が減る
人間の身体の約7割は水分だと言われていますが、運動することによって発汗して、体内の水分量が放出されると体重は落ちます。
ランニングした直後に体重を測ってみると、1kg~3kg程度体重が落ちている場合がありますが、これは発汗による一時的な体重減である場合が殆どです。
もちろん、水分を摂取すると直ぐに体重は戻ってしまいます。
つまり、「汗をかく=ダイエット」というのは本質的なダイエットではないという事。
ただ、汗をかくということは新陳代謝を促してくれるので、美容という観点では大事な要素になりますね。
② 筋肉が落ちる
「脂肪」より「筋肉」の方が質量は重いので、人間の身体は筋肉量が減ると体重が減少します。
ランニングの場合、基本的には脂肪を燃焼させてエネルギーに変換するのですが、過度なランニングをすると身体に蓄えられたエネルギーが不足してしまい、筋肉を構成するタンパク質がアミノ酸に分解されてエネルギーとして消費されるようになります。
そうなると、筋肉量が減ってしまい体重が落ちるケースがあります。
ストイックなマラソンランナーの身体が細い理由、マッチョなビルダーがランニングを嫌う理由はこれらが要因だったりします。
とはいえ、ある程度筋肉量がないと基礎代謝が上がらずダイエット効率が上がらないので、このあたりはバランスが重要かなと思います。
ダイエットという観点で言うと、体重より身体のラインを重要視した方が体型は変えやすいですね。
③ 脂肪が落ちる
多くの人がダイエットに期待するのは、”脂肪を落とす”ことだと思います。
脂肪を燃焼させるには、有酸素運動が一番効果的なので、脂肪を減らしたいと思っている人にとっては、ランニングは最適なダイエット方法だと思います。
ただ、ランニングで効率的な脂肪燃焼を促すにはちょっとしたコツが必要なので、次に「ランニングで脂肪燃焼効果を高める5つのポイント」を解説していきます。
ランニングでダイエットを成功させるには・・・?
① 20分以上走ろう!
脂肪を燃焼させるためには、20分以上を目安に走るのがポイント。
ランニングなどの有酸素運動に使われているエネルギー源は「糖質」と「脂質」です。
そして、走り出した直後にエネルギー源として使われるのは、主に「糖質」です。
「脂質」がエネルギー源として使われるのは、だいたい運動し始めてから20分後くらいからと言われています。
きちんと脂肪を落としたいという人は20分以上走ることを目標にしましょう。
もし、「20分も走れないよ・・・」なんて人は、途中で歩いても良いので、とにかく運動を持続するように心がけてみて下さい。ダイエット目的のランニングは、スピードや距離よりも、走った時間が大切になってきます。
② 息は切らさない!
効率的に脂肪を燃焼させるためには、適度な運動強度を保つことが大切です。
なぜなら、運動強度が高いとエネルギー源として脂肪よりも糖質が使われる比率が大きくなってしまうからです。
特にランニング初心者の方は、頑張ろうと意気込みすぎてついオーバーペースになってしまいがちですが、ここは我慢してゆっくり走った方が脂肪燃焼効果は高まります。
おしゃべりしながら走れる程度のスピードを目安として走りましょう。
脂肪燃焼に適切な運動強度は最大心拍数に対して、60%~70%の心拍ゾーンです。
平均的な最大心拍数は、「220-年齢」で算出することができます。
例えば、40歳の方だったら、「220-40=180」「180×0.6=108」と言う感じで、平均心拍数を108に設定して走ると、効果的な脂肪燃焼が期待できます。
ただし、この数字はあくまでも目安で個人差があり、走ることに慣れてくると適正な数値も変わってきます。
心拍計機能付きウォッチ等を使いながら、ご自身で適切なスピードと心拍数を把握し、効率的に脂肪を燃焼することを意識してみてください。
③ 朝に走るのがベスト!
これは、あくまでもダイエット目的のためのランニングという前提ですが、「アフターバーン効果」を有効的に利用することもポイントです。
アフターバーン効果というのは、簡単に説明すると”運動後にカロリー消費が続く現象”のことを言います。
つまり、朝にランニングをすると、夜寝るまでアフターバーン効果が持続します。
運動強度によって違いはありますが、運動後24時間〜72時間程度は、アフターバーン効果によって身体のエネルギー消費量が多くなると言われています。
ランニング後の脂肪燃焼時間を少しでも長く持続したい場合は、夜に走るよりも朝に走って一日を効率良く使い、より多くの脂肪を燃焼させる方がダイエット効果が期待できます。
④ ランニングは食べる前に!
人間の身体は、空腹の状態で運動すると、より体内の脂肪をエネルギー源として活用してくれます。
「食べた直後は、食べたものを」「食べる前は、体内に蓄えられているものを」エネルギーとして利用するメカニズムになっています。なので、食べた後よりも食べる前に走った方が脂肪燃焼効果は高まります。
ただし、あまりにも空腹の状態でランニングをしてしまうと、身体が動かずに怪我や疲労の原因になるので注意が必要です。
食事をするタイミングにも気を使いましょう!
⑤ 生活習慣にも目を向けよう!
「ランニングをしても、なかなか痩せない・・・」「結果が出ない・・・」という人のほとんどは、食事の内容や量、睡眠時間などの生活習慣に問題があったりします。
知らず知らずに太ってしまった原因は、単に運動不足なだけでなく、生活習慣の乱れが原因であるケースの方が大きいかもしれません。
せっかく、ランニングを始めたのなら、これを機に自分のライフスタイルを見直して、より健康的な生活を心がけるのも「ダイエット成功の近道」かもしれませんね。
ランニングもダイエットも楽しむのが一番!
ここまで、ランニングでダイエットを成功させる秘訣を解説してきましたが、いかがでしたか?
ダイエットというのは、目に見えた効果を実感するまでには、始めてから3ヶ月は必要とされています。
短期間での急激なダイエットは、必ずリバウンドしますし、健康という観点からもあまりよろしくないですからね。
3ヶ月も続ければ、長い距離走れるようになったり、速く走れるようになったり、呼吸が楽になったり・・・、ランニングの楽しみ方が変わってくると思います。
ダイエット目的でランニングを始めたら、いつの間にかハマってしまって、フルマラソンに挑戦してみたくなった!なんて人も少なくありません。
せっかくランニングを始めたのなら、気持ちよく走って、且つ、身体が変わってきたら嬉しいですよね。
何事も、まずは楽しむことが大事ですし、楽しめることが継続する秘訣です。
ランニングもダイエットも、無理せず自分のペースで楽しみましょう!
■三浦トレーナーの過去の記事■
Vol.5 誰でも簡単にランニングを習慣化させる方法
Vol. 4 これからランニングを始めたい人にオススメのストレッチ
Vol.3 初心者向けシューズの選び方
Vol.2 「おしゃれに走る秘訣」を教えます
Vol.1 新しいワタシに出会える新習慣
■ PROFILE ■
三浦直樹 Naoki Miura
株式会社PEOPLE 代表取締役 | スポーツトレーナー
パーソナルランニングトレーニングサポート ROUGH代表
日本ランニングトレーナー協会 JRTA ACADEMY 代表
33歳の時に母親をパーキンソン病で亡くしたことをきっかけに代替医療の世界へ飛び込む。8種類もの専門資格を取得し、整体師・パーソナルトレーナーとして2013年に独立。2014年にReebokのアンバサダートレーナーに就任し2020年まで活動。主にランニングイベントの講師や各種メディア出演等にて活躍。2017年からはTBSのホノルルマラソン番組専属帯同トレーナーとして多くの著名人やアスリートをサポート。速く走ることや長い距離を走ることに囚われない「痛みや怪我なく疲れず楽に走る」ためのランニング指導が好評。ランニング専門のパーソナルトレーナーとして活動する傍らランニングトレーナーを養成するJRTA ACADEMYを主宰するなど活動は多岐に渡る。自身はランニングだけでなく、フットサル、ボクシング、ロードバイク、ボルダリング、スノーボードなど、アクティブな趣味を持ち、高校時代はサッカー部でインターハイ優勝の経験も持つ。
Instagram: @melosman_
YouTube: RUNNING GYM