ランニングトレーナー三浦直樹さんが教えます! これからランニングを始めたい人にオススメのストレッチ
HEALTH
2021.11.07
「走る前には、どんなウォーミングアップをしたら良いの?」
「ランニングする時には、どんなストレッチをすれば良いの?」
今回は、そんな疑問にお答えしていこうと思います。
これは初心者ランナーの方に限らずなんですが、ランニングをしている人は意外とウォーミングアップをしていなかったり、手を抜いていたり・・・。
ストレッチの目的や効果を把握していないまま、何となくアキレス腱を伸ばしたり、屈伸運動をして済ませてしまっていたりする方が多いんですよね。
ランニングは、そんなに複雑な動きをする運動ではないので、ウォーミングアップを疎かにしてしまう気持は分からなくもないのですが・・・(笑)
とは言え、身体を動かす以上はランニング前のウォーミングアップは非常に重要です!
例えば、せっかく、健康やダイエットのために始めたランニングでも、ウォーミングアップをするかしないか?どんなウォーミングアップをするか?によって、ランニング自体の効果も大きく変わってきてしまいます。
せっかく走ったのに効果が半減・・・なんてことにならないように、ランニング前に必要なウォーミングアップやストレッチ方法などを解説していきますね!
ランニング前にウォーミングアップをする3つのメリット
まずは、ちょっと走るだけなのに、何故、ウォーミングアップが重要なのか?
ランニングをする前にウォーミングをするメリットを解説します。
① 筋温を上昇させる
身体を温めることで、筋肉や関節がスムーズに動くようになります。
筋肉や関節がスムーズに動かないとケガに繋がる原因になるだけでなく、脂肪燃焼効果が低下したり、通常よりも疲労を感じやすくなってしまいます。
② 筋肉や腱などの柔軟性を向上させる
筋肉の柔軟性や、関節可動域が広くなれば、肉離れや腱断裂などの怪我を予防することができます。
また、身体各部位全体の可動域が広がると、中枢神経が刺激されて神経伝達速度が促進されます。
これは綺麗なランニングフォームの獲得や、しなやかな動きの実現にも繋がっていきます。
③ エネルギー効率をアップ
しっかりとウォーミングアップを実施することで、血中温度や酸素の摂取効率が向上します。
走ることで感じる疲労感の緩和や活動代謝を上げる効果があるので、エネルギーを効率に使ったり、脂肪燃焼効果を増大する手助けになってくれたりします。
こんなにあったの!?ストレッチの種類
ウォーミングアップの必要性については、なんとなく理解して頂けたかと思いますので、ここで少しだけストレッチに関する勉強をしてみましょう!
一般の方にはあまり馴染みがないと思うのですが、ストレッチには色々と種類があります。
それぞれ、手法・目的・効果が違っていたりするので、ランニングに適さないストレッチをしてしまわないように注意しましょう!
① スタティックストレッチ
「静的ストレッチ」と呼ばれている、反動や弾みをつけずにゆっくりと筋肉を伸ばしていくストレッチで、運動後のクールダウンに適したストレッチ方法になります。
日本では、このスタティックストレッチをウォーミングアップに取り入れてしまっている人がとても多いです。おそらく、学校の体育授業の影響だと思いますが、これは先進国では日本くらいです・・・。
スタティックストレッチは筋肉がリラックスしてしまうため、ランニング前に行うと逆効果なので注意して下さい。
② PNFストレッチ
これはいわゆる「パーソナルストレッチ」で、トレーナーやパートナーに受動的にストレッチしてもらう手法になります。
神経筋の反応を良くしていくことが主な目的で、どちらかというとリハビリの現場などで行われることが多いです。これは、実施する人間にそれなりのスキルが必要なので、ランニング前には無理にやらない方が良いかと思います。
③ ダイナミックストレッチ
スタティックストレッチの反対で、身体を動かしながら行う「動的ストレッチ」です。
ダイナミックストレッチは、柔軟性の確保・関節可動域の拡大・筋温の上昇などの効果があり、運動をする前のウォーミングアップには最適なストレッチ方法になります。
ランニングの前には、このダイナミックストレッチを取り入れましょう!
④ バリスティックストレッチ
反動や弾みをつけて筋肉を伸ばすストレッチです。
ラジオ体操や、サッカー選手が良くやっているブラジル体操なんかがこの類に入ります。競技種目の動作に合わせたストレッチが行いやすいので、ウォーミングアップとしても適しています。
ランニングドリルと呼ばれている運動の一種は、ランニング動作に適したバリスティックストレッチになりますね。
⑤ クライオストレッチ
これはちょっとマニアックなストレッチなのですが、アイシングをして筋肉の感覚を鈍らせて行うストレッチです。
一般的には、筋肉の痛みや張り、緊張を解消するために行われることが多いです。筋肉をアイシングしてしまうので、当たり前ですが運動前にはあまり適していません。
この他にも、トレーニング系ストレッチなど、ストレッチを深掘りするとまだまだ奥が深いのですが、この5種類を知っているだけでも、十分、ストレッチマニアと名乗っても大袈裟ではないと思います(笑)
そして、上述の説明でもあったように、ランニング前にあなたに行って欲しいストレッチは、③のダイナミックストレッチです。
ランニングに必要なストレッチ部位は?
「ウォーミングアップは必要なのね!」
「ストレッチはダイナミックストレッチをやれば良いのね!」
と、ご理解して頂いた上で、次に重要になってくるのは、ストレッチを行う部位です。
こればかりは、実は正解というものはないのですが・・・
せっかくストレッチをするのであれば、できるだけ効率良く、無駄な時間はかけないで行いたいですよね?
そこで、僕が「ここだけストレッチをやって頂ければOK!」と推奨している部位をご紹介します。
まず下半身は、「腓腹筋」「ハムストリング」「大臀」「大腿横部」「股関節」「鼠径靭帯」「仙腸関節」「腰椎」。
上半身は、「肩甲骨」「脊柱」「肋骨」「腋下」。
・・・部位だけ並べると、それどの部分のこと?しかも全部やるのは大変そう・・・と感じるかもしれませんが、実はいたって簡単に行うことができます。
そこで最後に、僕が普段行っているランニング前のストレッチを、動画で解説&ご紹介します!
下半身12種類、上半身6種類のストレッチルーティン。少し多く感じるかもしれませんが、全部やっても6分程度で終わりますよ!
上半身と下半身、それぞれの解説編と実践編で、計4つの動画です。ぜひ参考にしてみて下さい。
【保存版】トレーナーがオススメするストレッチはこれ!
チャンネル登録しておくと、いつでも好きな時に見返せます!
怪我を防いで、ランニングの効果を最大限にするためにも、ぜひ走る前にはストレッチを取り入れてみてくださいね!
■三浦トレーナーの過去の記事■
Vol.3 初心者向けシューズの選び方
Vol.2 「おしゃれに走る秘訣」を教えます
Vol.1 新しいワタシに出会える新習慣
■ PROFILE ■
三浦直樹 Naoki Miura
株式会社PEOPLE 代表取締役 | スポーツトレーナー
パーソナルランニングトレーニングサポート ROUGH代表
日本ランニングトレーナー協会 JRTA ACADEMY 代表
33歳の時に母親をパーキンソン病で亡くしたことをきっかけに代替医療の世界へ飛び込む。8種類もの専門資格を取得し、整体師・パーソナルトレーナーとして2013年に独立。2014年にReebokのアンバサダートレーナーに就任し2020年まで活動。主にランニングイベントの講師や各種メディア出演等にて活躍。2017年からはTBSのホノルルマラソン番組専属帯同トレーナーとして多くの著名人やアスリートをサポート。速く走ることや長い距離を走ることに囚われない「痛みや怪我なく疲れず楽に走る」ためのランニング指導が好評。ランニング専門のパーソナルトレーナーとして活動する傍らランニングトレーナーを養成するJRTA ACADEMYを主宰するなど活動は多岐に渡る。自身はランニングだけでなく、フットサル、ボクシング、ロードバイク、ボルダリング、スノーボードなど、アクティブな趣味を持ち、高校時代はサッカー部でインターハイ優勝の経験も持つ。
Instagram: @melosman_
YouTube: RUNNING GYM