人気ランニングトレーナー三浦直樹さんが教えます! 誰でも簡単にランニングを習慣化させる方法

HEALTH

2021.12.01

「美容や健康のためにランニングを始めたものの、なかなか継続できない・・・」
「走りたい気持ちはあるけど、いざ始めようとすると体が動かない・・・」

この記事を読んでいる方の中にも、そんな悩みを抱えている人も少なくないはず。

 

 

 

ランニングの場合、フィットネスジムやヨガスタジオに通うのと違って、時間や場所に制限がない分、“自分でモチベーションやスケジュールを管理”しないといけないので、なかなか習慣化するのが難しい・・・なんて感じている人も多いのではないでしょうか?

そんな時は、僕のようなランニング専門のパーソナルトレーナーを付けるのも一つの方法かもしれませんが、「まずは、自分でなんとかしたい!」「三日坊主は卒業したい!」という方のために、今回は、ランニング初心者が“走ることを習慣化するための秘訣”をご紹介してみたいと思います。

 

三日坊主はあなたのせいじゃない!?

 

まず、なぜ人は「やった方が良い」「やりたいと思っている」ことを、なかなか習慣化することができないのでしょうか?

これには、人の脳のメカニズムに秘密があります。
まずは、このメカニズムを知って、あなたがランニングを習慣化できない原因を理解しましょう!

 

 

 

ランニングを習慣化できない理由・・・、その理由は、決してあなたの意志が弱いからなどということではありません。

人間には“ホメオスタシス”という、環境の変化に対して体を守る機能が備わっているからなんです。

ホメオスタシスは、体や脳の機能を維持する時に作用します。
人が何か新しいことに挑戦しようとした時には、メンタル的にもフィジカル的にも多少なりともストレスを感じるものです。そのストレスから自分自身を守るために、「現状を維持しようとする機能」が人間には備わっているんです。

なので、何か新しいことを始めようとしても、なかなか続かない、すぐに辞めてしまうというのは、実は「やる気」や「意識」の問題ではないんです!

 

習慣化できる人には〇〇がある!!

 

一方で、ランニングでもダイエットでも勉強でも、なんでも直ぐに習慣化できてしまう人がいるのも事実です。

では、習慣化できる人とできない人の違いは、一体、何なのでしょうか?

 

 

 

 

僕は、何人ものランニング初心者の方をサポートしてきましたが、なかなかランニングを習慣化できない人には、ある共通の特徴があるように見受けられます。

その特徴というのは、“具体的かつ客観的な目標が定まっていない”ということです。

 

ランニングを習慣化できない人は、

「自分は、なぜ、ランニングを始めようと思ったのか?」

「自分は、なんのためにランニングをするのか?」

という部分が、不透明になってしまっていることが多いように感じられます。

ダイエットのため?アンチエイジングのため?生活習慣を改善するため?

目標はなんでもOK!大事なのは、自分の中で明確な目標を持って、それを忘れてしまわないようにすることです。

 

 

 

 

まずは、自分が思い描く“理想の未来を強くイメージする”ことから始めてみましょう!

そして、その理想の未来を近づけるために、「やらないよりは、やったほうが良い!」くらいの気楽なマインドセットを持つことが重要です。

このマインドセットが、習慣化の後押しになってくれますし、一度、習慣化してしまえば、今度はその習慣を維持するように人間の体は自然に働いてくれます。

 

無理に頑張らないことが大事!

 

ランニングの場合、やはり“適切な頻度や強度で行う”というのも、継続する上では大事な要素になってきますね。

某出版社の調査によると、ランニングを1年以上継続できた人の割合は、たった23.6%だそうです。
しかも、6ヶ月以内に走るのをやめてしまった人は、なんと68%!
そう、約7割もの人がランニングを継続できていないという衝撃の事実があるんです・・・

 

 

 

実は、これには明確な理由があります。
ランニングを始めたけど辞めてしまった人の多くは、過度な疲労や怪我が原因によるものがほとんどなんです。

ランニングの継続期間が短い人ほど、毎日のように走ったり、最初から張り切りすぎてしまったり、完璧を求めて自分に高いハードルを課してしまったり・・・

特に日本人は、ランニングは、“長い時間・長い距離を走らないといけない”という固定概念が強い傾向があるので、いつしかランニングを始めたきっかけや理由を忘れてしまい、“走ることが目的になってしまう”というケースが多々見受けられるので注意が必要です。

つまり、ランニングを習慣化させるためには“頑張り過ぎない”ということがポイントになってきます。

 

 

初心者はどれくらい走れば良い?ベストな時間や距離は?

 

頑張り過ぎないといっても、「じゃあ、どれくらい走れば良いの?」と疑問に思う人もいるかと思います。

実際に、「よし、ランニングを始めよう!」と決意してみたものの、走る距離や時間はどれくらいが良いのか分からずに、迷ってしまっている人も多いのではないでしょうか?

そこで、僕が、トレーナー目線でランニングを習慣化させる上での「5つの心得」を伝授します。

 

 

ランニングを習慣化させる「5つの心得」

 

その1.毎日走らない

先ほどもお伝えしましたが、ランニングが続かない物理的な要因のほとんどは、疲労の蓄積や怪我によるものです。
始めたばかりの時はやる気があるため、毎日走ろうとしてしまいがちなんですが、ここはぐっと我慢しましょう。
ランニングは毎日走らないといけないと思い込んでいる方も多いようですが、そんなことはありません。ランニングは、腹八分目くらいが一番楽しめますよ!

 

その2. 長い距離を走らない

特にランニング初心者の方は、まずは基礎体力を養うことを優先しましょう!
無理に長い距離を走ってしまうと、体への負担が大きくなってしまいます。
これは、日本の体育授業の文化が生み出した大きな弊害でもあると思うんですが、「ランニング=長い距離を走る」という考えを捨てて、自分が走れる距離から初めてみましょう!

 

その3. 距離ではなく時間を軸

前述しましたが、ランニングをする人はどうしても走行距離に囚われてしまう人が多いようです。
例えば、1kmを5分で走る人と、1kmを10分で走る人って、走るという観点では同じ労力ですよね?(レースなら話は別ですが・・・)
特にランニングを始めたばかりの方は、距離よりも時間を意識して「今日は○○分間走ろう!」と決めた方が、自分のコンディションやレベルに合わせて走ることができるのでオススメです。

 

その4. スピードは出さない

走ると聞くと、「できるだけ速く走らなきゃ!」と思ってしまう人も多いようですが、これも大きな間違いです。
「一体、誰と競走しているんですか?」って話です。ランニングは、自分のペースで無理せず一定のスピードを保つことがとっても大事なんです。
呼吸が乱れない程度のペース(走りながらお喋りができるくらいのスピード)がベストかと思います。スピードを出して心拍数が上がってしまうと、ダイエット効果も薄れてしまうので、焦らずゆっくり、お散歩するような気分で走ってみましょう!

 

その5. ルールを作らない

よく、「毎朝走る!」「仕事終わりにランニングする!」「週末は必ず走るようにする!」など、自分の中で決まり事を作る人もいますが、これもあまりオススメしません。
一見、ランニングをルーティン化してしまった方が継続できそうな気がするのですが、逆に、このルーティンが崩れてしまった時のモチベーション維持の方が難しかったりします。
朝起きられない日もありますし、仕事が終わらない日だってあります。週末に出かける予定が入る時もありますし、雨が降って走れない日だってあります。ルールに囚われず、走りたいと思った時に走ることが、継続への一番の近道だと思います。

 

 

 

いかがでしょうか?
思っていた以上に、走ることに対してのハードルが下がったのではないでしょうか?笑

ちなみに、世の中に出回っているランニング初心者向けのトレーニング方法は、どれもマラソンを走ることを目的に設定されたものばかりです。
僕個人的には「ランニング≠マラソン」という考え方なので、そんなものは全部無視しちゃって大丈夫です(笑)

走る距離やペースには囚われず、まずは、走れる時に走れるだけ“自由に走ってみる”ところからスタートしましょう!
そして、ある程度走れるようになってきたら、必然的に距離やペースも伸びてくるものです。
多分、その頃には、ランニングが習慣化できていて三日坊主も卒業していることでしょう(笑)

 

走って後悔する人はいない!

 

今回ご紹介した、マインドセットや適切なワークアウトプランニングの他にも、シューズやウェアを揃えて、それを着こなすことを楽しみにしてみたり、アプリやSNSを使ってランニング記録を作ってみたり、お気に入りの音楽を聴きながら走ってみたり・・・

走ること以外に楽しみを創出するのも、ランニングを習慣化する近道になります。
でも、一番大事なことは、兎にも角にも「まずは、最初の一歩を踏み出すこと」です。

何を隠そう、この僕だってランニングするのが嫌な時だってあります。
僕の場合は仕事なので、否が応でも走るしか選択肢はないのですが・・・(笑)

でも、そんな時でも、走った後に「走るんじゃなかった・・・」と思ったことはありません。
走った後は、いつだって爽快感や達成感、充実感を感じます。

 

 

 

これは、きっとあなたも同じだと思います。

実は、この「爽快感」「達成感」「充実感」を感じることこそが、何よりもランニングを習慣化する秘訣なのかもしれませんね!
是非、あなたにも、この感覚を味わってもらいたいと願っています。

 

 

■三浦トレーナーの過去の記事■

Vol. 4 これからランニングを始めたい人にオススメのストレッチ

Vol.3 初心者向けシューズの選び方

Vol.2 「おしゃれに走る秘訣」を教えます

Vol.1 新しいワタシに出会える新習慣

 

 

■ PROFILE ■

三浦直樹 Naoki Miura

株式会社PEOPLE 代表取締役 | スポーツトレーナー

パーソナルランニングトレーニングサポート ROUGH代表

日本ランニングトレーナー協会  JRTA ACADEMY 代表

33歳の時に母親をパーキンソン病で亡くしたことをきっかけに代替医療の世界へ飛び込む。8種類もの専門資格を取得し、整体師・パーソナルトレーナーとして2013年に独立。2014年にReebokのアンバサダートレーナーに就任し2020年まで活動。主にランニングイベントの講師や各種メディア出演等にて活躍。2017年からはTBSのホノルルマラソン番組専属帯同トレーナーとして多くの著名人やアスリートをサポート。速く走ることや長い距離を走ることに囚われない「痛みや怪我なく疲れず楽に走る」ためのランニング指導が好評。ランニング専門のパーソナルトレーナーとして活動する傍らランニングトレーナーを養成するJRTA ACADEMYを主宰するなど活動は多岐に渡る。自身はランニングだけでなく、フットサル、ボクシング、ロードバイク、ボルダリング、スノーボードなど、アクティブな趣味を持ち、高校時代はサッカー部でインターハイ優勝の経験も持つ。

 

 

Instagram: @melosman_

YouTube: RUNNING GYM