「他力本願」の本当の心がけ方、知ってますか?~他力本願で大切な3つのこと~

HEALTH

2025.05.23

【他力本願の本当の意味誤解してる人多数?!

―――――――――――――――――――――――――

 

「他力本願(たりきほんがん)」という言葉はを聞いて、みなさんは何を思いますか?

日本ではしばしば「他人に頼る」「自分で努力しない」といった消極的な意味で使われることがあります。しかし、本来の意味はまったく異なります。

この言葉は、浄土真宗の開祖・親鸞(しんらん)が説いた深い仏教の教えから生まれたものであり、阿弥陀仏の救いに関する根本思想を表しています。

 

他力本願の本来の意味

「他力」とは、阿弥陀仏の本願の力を指します。阿弥陀仏は、「すべての人々を極楽浄土に往生させる」と誓願(本願)を立てました。
浄土宗・浄土真宗では、この阿弥陀仏の本願に身をゆだね、念仏を唱えることで極楽往生が叶うとされています。

つまり、「他力本願」とは「阿弥陀仏の誓願の力により救われる」という意味であり、「他人に頼って楽をする」というニュアンスとは無関係なのです。

 

 

【他力本願の本当の意味他人からの学びでしか得られないこと

―――――――――――――――――――――――――

親鸞は、「自力ではどんなに修行しても悟りに至ることはできない」という立場を取っていました。

人間は煩悩に満ちた存在であり、どれだけ努力しても完全な悟りを開くことはできません。しかし、阿弥陀仏の本願にすがれば、必ず救われるということを唱えていました。

この考え方は、特に「悪人正機説(あくにんしょうきせつ)」に明確に示されています。これは、「善人よりも悪人こそが阿弥陀仏の救いの対象である」という教えです。

なぜなら、善人は自分の善行に頼りがちですが、悪人は自力では救われないと自覚し、阿弥陀仏の力にすがるからです。

 

では、他力本願を現代にどう生かすのでしょうか?

現代社会では、「自力で成功すること」が美徳とされがちですが、親鸞の教えを学ぶと、「すべてを自分の力だけで成し遂げるのは難しい」という現実を受け入れることの大切さに気づきます。
他力本願の精神を現代に活かすと、次のような考え方ができます。

 

【他力本願の本当の意味他力本願で大切な3つのこと

―――――――――――――――――――――――――

 

1. 「頼る」ことは「信じる」こと :謙虚になる

子育てや仕事、人間関係の中で、自分ひとりで抱え込まずに他者を信頼して任せることは、「弱さ」ではなく「信じる力」です。
他力本願は、阿弥陀仏の誓願を信じる姿勢であり、現代で言えば「人や流れに身をゆだねる信頼」でもあります。

 

2. 「自分の限界」を受け入れる勇気 :努力をしながらも結果を執着しすぎない

私たちは、すべてを完璧にコントロールすることはできません。
病気や失敗、思い通りにならない現実の中で、自分の力の限界を認めることはとても大切です。他力本願は、その限界を否定するのではなく「それでも救われる」という肯定の教えです。

 

3. 「感謝して委ねる」生き方 :人の助けを素直に受け入れる

自分で努力することも大事ですが、最終的には目に見えないご縁や周囲の支えによって生かされていることに気づくことが大切です。
助けてもらうときに「ありがとう」と言える心、それが他力本願の本質に近い姿です。

この3つを心に留めておくことで、日々の暮らしの中でも「他力本願」の教えがじんわりと生きてくるはずです。力まず、でも無力とも思わずに、自分とまわりを信じて生きる──それが、親鸞の教えを現代に活かすヒントかもしれません。

 

他力本願をマスターして軽やかに生きよう!

―――――――――――――――――――――――――
 

 
「他力本願」は決して怠惰を推奨する言葉ではなく、むしろ「自力ではどうにもならないことを受け入れ、阿弥陀仏の誓願に身をゆだねる」という深い信仰の表れです。

親鸞の教えを通して、私たちも「すべてを背負い込まずに生きる」ことの大切さを学ぶことができるのではないでしょうか。

日々の暮らしの中でも「他力本願」の教えがじんわりと生きてくるはずです。

力まず、でも無力とも思わずに、自分とまわりを信じて生きる──それが、親鸞の教えを現代に活かすヒントかもしれませんね。