“嫌いな自分・嫌いな人”にも意味がある?ユング心理学が教える心の仕組み ~前編~
LIFESTYLE
2025.07.12
“嫌いな自分・嫌いな人”にも意味がある?
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私たちは日々、自分自身を「知っている」と思って生活しています。
でも、ふとした瞬間に思いがけない怒りが湧いたり、誰かの言動に強く反応してしまったりすることはないでしょうか?
他人に対しても、なぜか見ていてイライラする。
そんな場面もときにはありますよね。
それは、あなたの“無意識”が語りかけているサインかもしれません。
今回は、ユング心理学の核心概念のひとつ、「シャドウ(影)」と、それを乗り越える「統合」というプロセスについてご紹介します。
シャドウとは何か?
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スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが提唱した「シャドウ」とは、自分自身の中にある“認めたくない部分”や“抑圧された感情・性質”のことです。
たとえば
・怒りっぽさ
・弱さ
・嫉妬心
・優越感
・攻撃性
これらは私たちが「こんな自分は嫌だ」「こんなのは私じゃない」もしくは他人に対して「わたしは絶対こんなことしない!人としてあり得ない!」「見ているだけでむしゃくしゃする。視界に入れたくない!思いたくない!」と思って、無意識の奥に押し込んでしまったもの。
でも、無くなったわけではなく、心の影(シャドウ)として生き続け、時折私たちの行動に影響を与えます。
シャドウのサインに気づくには?
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シャドウは意識されないからこそ“影”なのですが、以下のような場面でその存在が現れます。
・他人に強くイライラする
・理由もなく誰かを羨んでしまう
・自分の中に「こんなこと思ってはいけない」という思いがある
・「なんでこんな自分が嫌いなんだろう」と感じるとき
こうした感情の“過剰な反応”には、あなたのシャドウが投影されている可能性があります。
「シャドウを統合する」というプロセスへの準備をしよう!
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シャドウは「なかったこと」にしようとしても、静かに私たちの中で息づき続けます。
だからこそ、避けるのではなく、そっと光を当ててあげることが大切です。
悩みやイライラは、あなたが壊れているから起こるのではありません。
それは、あなたの中にまだ認められていない「大切な一部」が、必死に声をあげているサインかもしれないのです。
「シャドウを統合する」とは、そんな声に耳を傾け、自分自身のすべてを受け入れていくプロセス。
それは決して簡単ではありませんが、自分で自分を愛せるようになるための、深い癒しの道でもあります。
悩むことにも、立ち止まることにも、ちゃんと意味がある。
むしろそれこそが、自分を癒し、本当の自分と出会うチャンスなのかもしれません。
どうかあなたが、あなた自身の味方でいられますように。
次回は、そのシャドウの解決方法「統合」についてお伝えします。