美しく響く日本語:雨の言葉
CULTURE
2023.06.20
梅雨真っただ中の日本。毎日お天気が悪いと気分も下り坂になりがちですよね。
着る服や靴にも悩んでしまって、雨が恨めしく思えることもあるかと思います。
そんな雨にも様々な表現があります。
今回は憂鬱になる雨も愛おしく思えるような、そんな素敵な言葉を紹介いたします。
香雨【こうう】
良いにおいのする雨。雨の美称として使われることがあります。
翠雨【すいう】
草木の青葉に降る雨。緑雨とも。美しい黒髪に降る雨という意味もあるのだとか。
甘雨【かんう】
草木を潤し育てる恵みの雨を言います。
慈雨【じう】
ふさわしい時期に、降って欲しい量だけ降る雨のこと。作物の成長に都合が良い雨のことで、恵みの雨と呼ばれることも多いのです。
天泣【てんきゅう】
雲がないのに降る雨。雨雲が移動したり、風で雨が運ばれてきたりした時にも使われます。
「天気雨」「狐の嫁入り」とも。
白雨【はくう】
夏に急に降った後ですぐに止むような雨。特に雨脚があまりにも激しい場合に、雨が白みがかって見える場合に使われる表現です。俳句の夏の季語にもなっています。
洗車雨【せんしゃう】
7月6日に降る雨。七夕の前日、彦星が織姫との逢瀬に使う牛車を洗った水が落ちて雨になって降ってくるという言い伝えから。
梅雨時から初夏に使われる雨の言葉をご紹介しました。
他にも季節によってもっとたくさんの美しい雨の表現があります。
雨だけでこんなにも言い表す言葉があるなんて、日本語は奥深いですね。
言葉を変えるように雨を別の角度から見てみると、素敵な発見があるかもしれませんね。