緑の庭で寝ころんで 完全版

CULTURE

2022.04.19

 

 

著者:宮下奈都 

出版社:実業之日本社

定価:825円(税込)

発売日:発売中

 

 

書店員がいちばん読みたい本を選ぶ「本屋大賞」を受賞した著者のエッセイ集。

 

出身地の福井新聞をはじめ、情報誌や文芸誌、業界紙やら企業の㏚誌に書いたあらゆるエッセイ、さらに演劇の原作、歌詞なども収録。

作者ならではの世界観が十分すぎるほどに伝わってくる一冊です。

 

親子をつづって6年間連載されたエッセイも完全に読むことができるので、3人の子を持つ母としての著者と子供たちの成長の軌跡を共感しながらたどるのも楽しい。

地元の福井を離れ、あえて北海道の僻地に暮らしたり、不便さよりも大自然ならではの楽しみを子供たちと共有しています。子供たちも、その出来事を大切に記憶していて、ドラマ「北の国から」を地でいってるんですね。

北海道の緑の庭で寝ころんで見る青空は、なんとすてきなことでしょう。

 

ちなみに、とくに注目したいのは(書評コーナーでもありますので)著者の書評を集めた章立て。帳簿に関する専門書やら中国語入門、マンガも全巻読了されていて、ジャンルも幅広く、読書量も豊富。また、いかにも面白そうに評されているので、書評子は逃げ出したくなりました(笑)