阿佐ヶ谷姉妹の のほほん ふたり暮らし

CULTURE

2021.06.25

著者

阿佐ヶ谷姉妹

幻冬舎文庫

定価:本体600円+税

 

母を河北総合病院に連れて行った日、待ち時間用に、阿佐ヶ谷駅前書楽で購入したWカバー版。阿佐ヶ谷には昔ながらの安アパート然とした建物も多く残っていて、6畳ひと間でひとり暮らしの住民も当然たくさんいます。

 

芸人コンビ「阿佐ヶ谷姉妹」の姉役のエリコさんもそのひとり、そこに妹役のミホさんが転がりこんで同居が始まります。売れない頃の笑えるエピソードが満載。だって、6畳ひと間で我慢している方もいらっしゃる中で、そこにもうひとり! ですもの。

 

でも、なんか「狭(せま)楽しい」。ほら、学生時代に友達の部屋に遊びにいった気持ちが蘇るのです。それとも合宿の気分かも。

 

ちょっとした姉妹の小競り合いや人情味が溢れるご近所づきあいを、姉の目、妹の目でとらえたエッセイが交互に並んで飽きずに読ませます。エリコさんは自分を犬に、ミホさんを猫に例えています。ようやく6年後ミホさんが家を出ようとしますが、迷ったあげくエリコさんの隣部屋を借りることになるオチが愉快。姉妹が離れて住んでは仲良しが伝わる小競り合いネタが作れませんからね。