6秒を制御!! アンガーマネジメントでコミュニケーションをスムーズに!

CULTURE

2021.10.19

皆さま「アンガーマネジメント」はご存知ですか?

アンガーマネジメントとは、きっと誰もが無意識に、または意識的に行っている感情コントロールの一環です。

 

新しい生活様式を求められ、ビジネスの場では在宅勤務、サテライト勤務などが急速に普及し、オンラインミーティングや、テキストコミュニケーションが増えて、職場内コミュニケーションにストレスを感じてはいませんか?

また、プライベートではおうち時間の増加に伴い、以前より家族との時間が増えて嬉しい半面、家庭内でのストレスも増加傾向にあり、ついつい身近な大切な人や自分に対して怒りの感情を抱いてしまうことはありませんか?

 

私は以前、アンガーマネジメントファシリテーターとして、20代~60代の社会人向けに講師をしていた頃がありますので、その時の経験も少し交えながら、お仕事にもプライベートにも役立つ「アンガーマネジメント」の魅力をお伝えします♪

 


まずお伝えしたいこと。怒りの感情を抱くことは悪ではありません!

 

アンガーマネジメントは怒りの感情を「悪」ととらえてはいません。もちろん問題となる怒りもあるのですが、怒りは自分の身を守るために備わっている「防衛本能」です。

 

例えば、子育てをする時期の野生の熊は非常に攻撃性が高いと言われています。不用意に近づこうものなら、徹底的に攻撃をされます。さて果たしてこの攻撃は悪でしょうか?ここでの攻撃の根源にあるのは、大切な子供を守るために備わった、母親の「防衛本能に従った怒り」なのです。

相手を攻撃せずにじっと耐えていたら、子供が危険にさらされます。このことからも怒りの感情を抱くことは、必ずしも悪ではないことが分かりますよね?

 

アンガーマネジメントを学ぶ方の多くは「怒らないことを目的としたトレーニング」と思いがちですが、「怒りで後悔しないこと」「怒りの感情と上手に付き合っていくこと」「怒りの連鎖を断ち切ること」が目的なのです。

 

 

怒りの感情を抱いてしまったら・・・まず「6秒」

 

心理学的に、人はどんなに怒りの感情を抱いても、怒りの感情のピークは「6秒」なのだそうです。

この「6秒間」をうまく過ごすことができれば、怒りで後悔することを格段に減らすことができます。

さて、その「6秒間」の過ごし方のコツをご紹介いたします!

 

 

■自分だけの魔法の呪文を唱えましょう。

 

できれば深呼吸をしながら、心の中で自分が落ち着く呪文を唱えます。よくあるのが「大丈夫、大丈夫」「落ち着いて、落ち着いて」などですね。

私が以前講師をしていた時には、ご自身の愛犬の名前を唱える方や、憧れのハイブランドジュエリーの名前を唱えていた方もいらっしゃいました。

 

ここでやってはいけないのがネガティブワードを用いることです。「許せない・・・許せない・・・」などと6秒間のうちに何度も心の中で唱えたところで、怒りが助長されるだけに過ぎません。自分にとってのお気に入りの呪文を探してみてくださいね。

 

 

■怒りの採点をしてみましょう。

 

今の自分が感じている怒りは0点~10点で何点なのか、自己採点をしてみましょう。

 

以前自分の感じた怒りと比較してみると数値化しやすいかもしれません。過去の怒りを冷静に思い出せない方は、記事の冒頭で例に出した、子育て中の熊が敵に近づかれた時の怒りを想像してみて、自分の怒りと比較しても良いかもしれませんね。

 

 

怒りは「~べき」という価値観から生まれる

 

人間のほとんどは「〇〇はこうあるべき」という価値観に縛られて生きています。その価値観に反したことが起こることが怒りの発生のメカニズムなのです。

 

例えばファミリーレストランで、注文から食事の提供までの時間は何分まで待てますか?という質問をした際、「10分」「30分」など様々な回答がありました。

食事の提供時間ひとつ取っても、人によって価値観は様々であることが分かります。時折、注文をして比較的すぐに「頼んだものがまだ出てこないじゃないか!」と怒っている人を見かけますが、その方の「~べき」の価値観に反したことをされたから怒っているのです。

 

また興味深いのが、怒りは第二次感情と呼ばれており、怒りの根底には「~べき」の価値観の他にも第一次感情が潜んでいると言われています。怒りを感じる前に、実は「悲しい・つらい・疲れた・さみしい」などの感情が先に潜んでいるのです。怒りが起こる前の、このような第一次感情を理解することも、怒りの感情と上手にお付き合いするヒントになるかもしれませんね。

 

 

さいごに・・・

 

今回の記事では、怒りの感情との上手なお付き合いの仕方をご紹介いたしましたが、いかがでしたか?

コミュニケーション方法が多様化、複雑化した現代だからこそ、今一度自分の持つ感情を知ってコントロールできるようになると、お仕事の生産性も向上します。

おうち時間においても、自分の身近な大切な人と、もっと上手にコミュニケーションを取ることができるようになります。

 

悲しいことに、怒りは上から下へ、強い者から弱い者へ連鎖します。私もまだまだアンガーマネジメントが完璧にできていないのですが、コミュニケーション力を向上させて、豊かな人生を送れるように、怒りで後悔しない、怒りの感情を連鎖させない、そんな日常を送りたいものです。

 

 

参考図書:アンガーマネジメント入門

著者:安藤 俊介

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mocaライター ECO