【Book review】愛なき世界(上)(下)

CULTURE

2026.07.15

🌹

緑が生き生きとする季節に、植物との暮らしが感じられる本を選んでみました。

🌹

 

 

9784122071445 愛なき世界(下) 0 三浦しをん 著 中公文庫 2021/11/19

『愛なき世界(上)(下)

地球上の生物のほとんどが植物なのに知らないことだらけ

「愛」という知りたい気持ちが止まりません

 

著    者:三浦しをん

出版社: 中公文庫

定    価:(上):748円(税込)(下):726円(税込)

 

‘26年6月30日はサッカーワールドカップ決勝トーナメント日本VSブラジル戦。

あとほんの少しで延長戦というところでブラジルに追加点を決められ日本中が泣き崩れました。

力の差があることは十分わかっていたものの、日本が先制点を奪った時には、もしかしたら……と期待し(番狂わせという言葉もありますし)、同点にされても、このまま終われば……万が一などと(運にも)期待したところで結果は……残念のひとこと(せめて延長戦の景色見たかった)。

ただ、運も実力のうちという教えがあるように、つまりは幸運の女神に愛してもらうためには日頃のたゆまない練習と地道な努力で女神にアピールし続けなければいけないよ、ということなのでしょう。

この物語はスポーツの分野ではなく偶然という幸運の女神に微笑んでもらうために日々実験に明け暮れる植物研究者たちの物語。ゴールに向かう姿勢と気迫はサッカー選手も研究者も同じ。頑張れ!ニッポン‼

 

 

 

【本書のあらすじ】

 

ひと続きのお話ではありますが、カバーの紹介文は上巻と下巻とでは異なっています。

以下、そのまま続けて引用すると――恋愛・生殖に興味ゼロの院生・本村紗英に、洋食屋の見習い・藤丸陽太が恋をした。殺し屋のような教授、サボテン一筋の後輩男子に囲まれ、本村は愛しい葉っぱの研究に没頭中。

実験やイモ堀り会に潜り込む藤丸の想いは花開くのか。「知りたい」という情熱を宿す人々の愛とさびしさが心を射る長編(上)。葉っぱの実験をこつこつ続ける院生・本村紗英を、どん底に叩き落とした大失敗。

研究仲間(変人集団)も戸惑うなか、窮地に光を投げかけたのは料理人・藤丸の反応で……。人生も、実験も、筋書きがないから面白い。世界の隅っこが輝き出す日本植物学会賞特別賞受賞作(下)〈解説〉伊与原 新――となります。

上下巻とも巻末に「藤丸くんに伝われ 植物学入門」という題名で研究室の備品も含めて読者に様子を伝えるイラスト図があります。

 

 

 

 

【著者について】

 

きれいなカバーの装丁も上下巻で変えていますが、著者紹介は同じ(当たりまえ・笑)。

以下一部引用すると――三浦(みうら) しをん氏は1976年東京生まれ。

2000年『格闘する者に〇』でデビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、12年『舟を編む』で本屋大賞、15年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、19年『ののはな通信』で島清恋愛文学賞及び河合隼雄物語賞、と文学賞受賞がテンコ盛りです。著書多数

 

 

 

 

【レビュー&エピソード】

 

地球上の生物の9割を占めるのは植物という試算があるそうです。

なのに、私は木と花と草と茸の違いしかわからずに今まで生きてきました(文字を知らない人と一緒ですね・汗)。ひとくくりに雑草とされる草たちにも一本一本にちゃんと名前がある(人間も同じですね・大汗)、と感じ入りつつ、心のなかで赤面しながら面白く読みました(読書好きの友人からは読んでないの……と呆れられています・苦汗)。

さて、シロイヌナズナの研究にすべてを捧げる主人公は確かに愛なき世界(異性に対し)にいますが、惑うことなく幸せそうで羨ましい。私は所詮「人間の繁殖のほうに興味を持った派」なのですね(苦笑)。