【Book review】だから、お酒をやめました。「死に至る病」5つの家族の物語
CULTURE
2025.08.21
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教養とは一人で時間をつぶせる技術のこと。
お酒のかわりに読書をしましょうか。
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『だから、お酒をやめました。「死に至る病」5つの家族の物語』
お酒の森には決して一人で入ってはいけません、
孤独でしんどい状態では依存症になりやすいのです。
著 者:根岸康雄
出版社: 光文社新書
定 価:990円(税込)
連日の猛暑のなか、涼みどころとして、コンビニに立ち寄らせていただくことってありませんか?
店内をひと回りして惹きつけられるのは冷たいドリンクコーナー。
ソフトドリンクに並んで、缶チューハイの果実の絵柄が心をつかみます。値段もジュースより安かったりすることもあるので尚更。
日本では20歳以上であれば、寝つけない熱帯夜の0時過ぎでも、コンビニにふらりと入ってお酒を買うことができ(24時間入手可能)ますよね。お酒に浸れる抜群の環境下で、著者は出だしから、すぐ警鐘を鳴らします――「プシュ。小気味いい音を鳴らして、冷えた液体を喉に流し込む。たったそれだけで、あなたはお酒の森の中だ。安くて手軽。気づくと、もう数本空けている……(略)」
――こんな飲み方をする人はいませんか?
めちゃ喉が乾いてしまう季節に一読お勧め。飲む前にどうぞ!
【本書のあらすじ】
アルコール依存症の患者の取材を積み重ね、代表例として(男女を含め)5家族を紹介。
生い立ちからはじめて、依存症になった経緯やら、断酒中の禁断症状なども、詳しく明かされます。それに続けて専門医やケースワーカーにインタビューして補足解説。〝死に至る″とわかっていても脱し切れないアルコール依存症。
何故そんなことになってしまうのか?本書の実例としてのエピソードで、コンビニで会計を済ませる前に(レジに並んでいる間に)缶チューハイを飲み干す描写があります。
アルコール依存症の患者は、お酒を飲むことを最優先にするのです。アルコールが切れると、お酒を飲みたいという強い欲求が起こり、自分では制御できなくなってしまいます。
お酒(エタノールという薬物)の勉強が老若男女に(子どもでも)もっと必要です。
【著者について】
根岸 康雄(ねぎし やすお)氏は1955年横浜市生まれ。元週刊誌記者。
人物専門のライタ―として、これまで4000人以上をインタビューし記事を執筆。現在、ウェブメディアにて企業や医療について連載中。
主な著書に『親のおくり方』(ポプラ社)、『生存者』(双葉社)、『世界が大切にするニッポン工場力』(ディスカヴァ―・トゥエンティワン)、『ずっと書きたかった親への手紙』(徳間書店)、『万国「家計簿」博覧会』『オレのまんが道』(以上、小学館)――新書から引用。
【レビュー&エピソード】
本書によると「アルコール依存症の女性は、男性よりも断酒を続けるのが難しい」そうです。
また「アルコール依存患者の90%ほどがストロング系缶チューハイを飲む」という記述も。「若い女性もワンカップの日本酒より手に取りやすい」という理由からです。
「嫌なことから逃れたい、嫌なことを忘れたいという人が精神安定剤のようにお酒を飲み、気分を高揚させる」「幼少期のトラウマのつらい思いを緩和させるために、お酒の量が増えるといったケースも多く、特にその傾向は女性のアルコール依存の患者さんに強い」とも。
そもそも「女性は体脂肪が多い反面、水分量が少ないため、血中アルコール濃度が上がりやすく酔いやすい」、「身体が男性より小さくて肝臓も小さい分、アルコールによるダメージが大きい」との解説が。「女性の患者さんは、精神的、身体的に深刻な症状が多い印象がある」との報告もあり、要警戒です。