失敗図鑑
CULTURE
2021.10.05
著者
大野 正人
文響社
定価:本体1200円+税
小学校高学年向け(おそらく)、児童書のジャンルに入るかもしれませんが、誰でも一度は耳にしたことのある近・現代の有名人の評伝をやさしくまとめた一冊。
小学生対象と侮ることなかれ、やさしい文章のなかには含蓄のある言葉がちりばめられています。
本書のテーマは「失敗」。例えば、本書に登場するエジソンもスティーブジョブスも、いわゆるその業界で功を成し遂げた人ですが、そこに至るまでの数々の失敗や当時の世間がどう見たのかを紹介しています。
本人からしてみれば失敗とは思ってなかったのかもしれないのだけれど……肝心なのは、視点の違いによって評価が異なることを知る、ということ。要は、これと決めたら周りを気にせず自信をもって進みなさい、ということでしょうか。
オードリーへプバーンは実はコンプレックスのかたまりで、それを克服した人と紹介されています。アンネフランクと同年生まれのへプバーン。暗い時代に翻弄されたがゆえの負の経験が人生にはありました。
ところで、最後に登場する失敗者が誰か……はお楽しみ。
児童向けの本ならでは……で、ほっこり。