「大掃除」といえば年末を思い浮かべる方が多いでしょう。12月になるとテレビ番組や雑誌でも特集が増え、慌ただしい中で家中を片づけるのが恒例…というご家庭も少なくありません。ですが実は、大掃除に最適な季節は秋なのをご存じでしょうか？

秋は気候が穏やかで、湿度も下がり、掃除に取り組みやすい環境が整っています。
年末の慌ただしい時期に無理をして体調を崩すよりも、心と体に余裕のある秋にじっくり取り組むことで、掃除が「作業」から「心地よい時間」へと変わります。
今回は、秋に大掃除をおすすめする理由と、実践的な進め方をご紹介します。

🧹秋掃除が理想的な3つの理由

1.気候が「掃除日和」

真夏は暑さで動く気力が奪われ、冬は寒くて水仕事がつらい…。その点、秋は程よい気温と湿度で作業がはかどります。
窓を開けて換気しても寒くなく、カビやダニが繁殖しにくい環境なので、掃除後の清潔さを長く保ちやすいのも魅力です。

2.年末の慌ただしさを避けられる

12月は仕事やイベントで忙しく、気持ちも焦りがち。そんな中で大掃除をすると、つい「見えるところだけ」となりがちです。
秋に余裕を持って取り組めば、普段後回しにしていた細かい場所までしっかり手をかけられます。
秋に済ませてしまえば年末は軽く整えるだけで済み、心穏やかに新年を迎えられます。

3.季節の変わり目に家も衣替え

衣替えのタイミングで部屋全体を見直すと効率的です。夏物をしまい、秋冬物を出すときに、収納スペースの掃除や整理も一緒に行えば、物が増えすぎるのを防げます。

🧹秋の大掃除、取り組みたい場所とポイント

秋は「湿度が低い」という特徴を生かして、カビ対策や収納整理を中心に進めるのがおすすめです。

1.キッチン：油汚れは気温が高いうちに

寒くなると油汚れは固まり、落とすのが一気に大変になります。秋のうちにコンロや換気扇を徹底的に掃除しておきましょう。
重曹スプレーやセスキ炭酸ソーダを使うと、肌にも環境にも優しく汚れが落ちます。つけ置き洗いをしている間に、シンク下の収納を整理するのも効率的です。

2.お風呂場・洗面所は湿度が低い今こそ！

湿度が高い夏はカビが増えやすく、秋はそのピークを過ぎる時期。
今のうちに天井や換気扇のフィルターまで徹底的に掃除しておくと、冬場の結露シーズンを清潔な状態で迎えられます。
カビ防止には「最後に冷水で流す」「使い終わったら換気扇を1時間回す」といった日々の習慣も効果的です。

3.窓・網戸は秋の日差しでピカピカに

冬は窓掃除がつらく、寒さで水も冷たいもの。秋のうちに窓ガラスや網戸を整えておくと、冬の日差しが部屋に明るく差し込みます。
新聞紙を使って乾拭きすると、ガラスが驚くほどピカピカになりますよ。

4.収納スペースは出し入れが多い今がチャンス

衣替えのついでに、収納スペースの見直しを。
「1年以上使っていないもの」「存在を忘れていたもの」は手放すタイミングです。
収納を整理するだけで、部屋全体の空気が軽くなり、暮らしのリズムも整います。

🧹秋掃除を習慣にするコツ

せっかくの秋掃除も、一度きりで終わってしまってはもったいないもの。ここからは、掃除を「心地よい習慣」に変えるためのポイントをご紹介します。

1.スケジュールを立てる

一気に全部終わらせようとすると、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。
週末ごとに「今日はキッチン」「来週は窓回り」とエリアを決めて進めると、達成感も得られ、無理なく継続できます。

2.香りや音楽で気分を上げる

掃除を「楽しみな時間」に変える工夫も大切です。お気に入りのアロマを焚いたり、好きな音楽を流したりするだけで気分が変わります。
掃除後に温かいお茶をゆっくり飲むなど、ご褒美を用意しておくのもおすすめです。

3.家族と役割分担

一人で抱え込まず、家族で協力して取り組むと効率もアップ。
お子さんにはおもちゃ整理をお願いしたり、パートナーには窓掃除を任せたりと、それぞれが得意な場所を担当すると負担が分散されます。

🧹掃除は「暮らしを整える小さなリスタート」

掃除は単なる家事ではなく、暮らしを見直すきっかけにもなります。
不要な物を手放して空間が整うと、気持ちも自然と軽やかになり、新しい季節を迎える準備が整っていくのを感じられるはずです。
年末に慌ただしく取り組むより、秋の穏やかな日差しの中で少しずつ進める掃除は、暮らしを整える「小さなリスタート」のようなもの。

「今年は秋に大掃除」。そう決めて取り組んでみると、冬の訪れが待ち遠しくなるかもしれません。整った空間で、新しい季節をのびやかに迎えてみませんか？