“嫌いな自分・嫌いな人”にも意味がある?ユング心理学が教える心の仕組み ~後編~

HEALTH

2025.07.27

前回のおさらい:シャドウってなに?

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前回は「シャドウ(影)」という、ちょっと聞き慣れないけど実は誰もが持っている“心の隠れた一面”についてお話ししました。

 

簡単に言うと、「自分で認めたくない性質」や「無意識に抑えこんでいる感情」のこと。
たとえば、怒りっぽさ、嫉妬心、プライドの高さ、劣等感など——「こんなの私じゃない!」と思いたくなる部分たちです。

 

“嫌いな自分・嫌いな人”にも意味がある?ユング心理学が教える心の仕組み ~前編~ 

でも実は、それらもあなたという人間の大切な一部
シャドウは、抑え込むほどに影を濃くし、ときに対人関係や感情の暴走として表れてきます。

 

そこで大事になってくるのが、今回のテーマである「統合」というプロセス。
自分の中にある光と影の両方を、まるごと引き受けていくことが、本来の自分に近づくための大きな鍵になります。

 

 

統合とは? 〜自分をまるごと引き受けるということ〜

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ユング心理学では、シャドウに気づき、それを自分の一部として「統合」していくことを、「個性化(Individuation)」のプロセスと呼びます。

 

これは「より本来の自分になる」ための旅です。

それでは、その統合に必要なプロセスとはどのようなことなのでしょうか。

 

統合のプロセスは、以下の4つのなります。

 

1. 気づくこと
まずは、「あ、これって自分の中にもあるかもしれない」と感じられる瞬間に意識を向けてみること。
ネガティブな感情が湧いたとき、「これは誰かのせい」と決めつける前に、自分の中に似た感覚がないかをそっと探ってみる。
それは勇気のいることですが、ここが統合の出発点です。

 

2. 判断しないこと
「怒りっぽい自分はダメ」「嫉妬なんてするなんて未熟」
そうやってすぐにラベルを貼らずに、ただ「そう思っている自分がいるんだな」と受けとめてみましょう。
それは“甘やかす”ことではなく、“否定しない”という態度。
この「否定しない」が、自分への深い信頼とつながります。

 

3. 対話すること
日記に感情を書き出してみる。
「なんであんなにイライラしたの?」と自分に静かに問いかけてみる。
ときには、頭ではなく、身体や夢、ふとした直感からシャドウは語りかけてくることもあります。
言葉にしてみることで、無意識のものが意識の光に照らされはじめます。

 

4. 実生活に活かす
たとえば、ずっと我慢していた怒りに気づいたとき、それは「自分の境界線を守りたい」という健全な欲求かもしれません。
そのエネルギーを、誰かを責めるのではなく「自分を大切にする力」として使っていく。
統合とは、自分の影を“変える”のではなく、“役立てる”という転換でもあります。

 

 

ところで、そもそもなぜシャドウと向き合う必要があるのでしょうか?

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シャドウを避け続けることは、見て見ぬふりをしている自分と日々向き合い続けることでもあります。

 

心の中で押し込めた影は、しばしば「他人」という鏡を通して目の前に現れます。
怒りや不満、過剰な嫌悪感が生まれるのは、外の誰かの問題ではなく、自分の中の未解決な何かが反応しているサインかもしれません。

 

たとえば、

 

●自分の「支配的な側面」を認めたくないとき

●誰かがただ自分の意見を言っただけで「偉そう」と感じたり

●「あの人ばっかり目立ってずるい」と過剰に反応してしまうかも

 

これらは相手がが悪いのではなく、あなたの中のシャドウが“見てほしい”と叫んでいるのです。

 

 

シャドウを統合するということは…

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あなたの中のシャドウが“見てほしい”というその叫びは、自分の中の光も影も、すべて引き受けていくことが大切です。

 

「こうあるべき」

「こうであってはならない」

 

というルールから少しずつ自由になっていくこと。

 

それは、完璧になるためではなく、ありのままの自分を生きていくためのステップです。

 

私たちは皆、光と影の両方を持って生きています。
シャドウを統合していくことで、そのどちらにも価値があると知ることができるのです。

 

 

まずは自分に問いかけよう!「わたしは今、何を感じているんだろう?」

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悩みや苦しみがあるとき、それはあなたが「もっと本当の自分になりたい」と願っている証でもあります。

それをただ否定したり、押し込めたりせずに、「わたしは今、何を感じているんだろう?」と問いかけてみてください。

 

~ 悩むことは、癒しのはじまり♡ ~ 

その一歩が、自己理解と自己愛につながっていきます。

 

あなたがあなたを、まるごと引き受けられるように。
そして、あなたの人生がもっとやわらかく、もっと自由になりますように。