【Book review】その「一言」が子どもの脳をダメにする
CULTURE
2025.06.15
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新しい生活にはストレスはつきもの。でも、読書でよいストレスに変わります
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『その「一言」が子どもの脳をダメにする』
「『オウム返し』で感情を吐き出させる」とか
大人の人間関係においても有効な対処法がいっぱい!
著 者:成田奈緒子/上岡勇二
出版社: SB新書
定 価:990円(税込)
2023年10月発行の本書は、女性週刊誌の新刊情報で知り、まずは図書館で検索。
貸し出し中だったので、折々の機会で再検索してはみるものの、毎度毎度、貸し出し中。予約数も20人を下回ることがなく、それほど人気なのか……ということで本屋さんにて購入。
自信を持って、ようやく紹介です(汗汗)。
【本書のあらすじ】
新書に巻かれたオビの表4には「親の『何気ない一言』が、子どもの将来を決める。」のコピーが。下に各章のタイトルが並びます。
序章 子どもの脳はどのように育つのか
第1章 子どもの「自律」を奪う言葉
第2章 子どもの「自信」を奪う言葉
第3章 子どもの「考える力」を奪う言葉
第4章 子どもの「社会性」を奪う言葉
第5章 子どもの「脳」をダメにする言葉
そしてカバーにはこのような紹介文が――
「もっとしっかりしなさい」「あなたのことを思って言ってるんだから」「大丈夫だよ」「頑張って偉いね」――いずれも、親が我が子につい言ってしまいがちな言葉である。
しかし、このような、親がよかれと思って発した「一言」が子どもの脳に深刻な悪影響を与えてしまう。子どもの認知力、自律力、思考力を伸ばすために親がすべき、正しい言葉がけとは?
――折しも、放送中の連続テレビ小説「あんぱん」で松島菜々子演じる母親が息子の嵩(たかし)を励ますセリフが上の言葉のオンパレードで……嵩は……(つい苦笑)。
【著者について】
本書から略歴をそのまま引用しますと――。
成田奈緒子(なりた なおこ)氏は小児科医・医学博士・公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。
1987年神戸大学医学部卒業後、米国セントルイス・ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。
研究者としての活動も続けながら、医療・心理・教育・福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。
上岡勇二(かみおか ゆうじ)氏は臨床心理士・公認心理師。子育て科学アクシススタッフ。
1999年茨城大学大学院教育学研究科を修了したのち、適応指導教室、児童相談所、病弱特別支援学校院内学級、茨城県発達障害者支援センターで、家族支援に携わる――以上。著書には、(二人の)共著による『改訂新装版 子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング 育てにくい子ほどよく伸びる』(合同出版)のほか、それぞれ多くの著書があります。「子育て科学アクシス」は2014年に二人が中心となり立ち上げました。
【レビュー&エピソード】
どの章も、家庭での日常の生活シーンのなかで、子どもにかけてはいけない言葉と、こうしたほうがよいという改善後の声掛けを並べて、見比べられる扉から始まります。
その理由については、続きのページで詳しく解説する構成になっています。ワタクシ的には、一読したところ、第3章(子どもの「考える力」を奪う言葉)に付せんが多くつきました。
例えば、「じゃれつき遊び」をした後には、前頭葉の「抑制機能」がアップする。とか、「朝勉」で前頭葉の情報処理神経を鍛える。とか、科学的な根拠をもとに有効な親子のふれあい方とかけるべき言葉を教えてくれます。