【Book review】子育てに効くマインドフルネス 親が変わり、子どもも変わる

CULTURE

2024.12.03

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家族関係と子育てを難しくしたのは自分なのかもと気づく読書の秋

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『子育てに効くマインドフルネス 親が変わり、子どもも変わる

呼吸や瞑想等で訓練しながら子育てに集中してみる

大切なのは子どもの心に気づき、自分の心に気づくこと

 

著    者:山口 創

出版社: 光文社新書

定    価: 814円(税込)

 

「マインドフルネス」という言葉を耳にしたことありませんか?

手元にある英和辞書(ジーニアス英和辞典 第3版 大修館書店)によると、マインド(mind)は心、精神。形容詞をつくる-fulを加えたマインドフル(mindful)は、心を配って、注意して、心に留めて忘れない、となり、さらにそれにnessを加えて名詞形にしたものが、マインドフルネス(mindfulness)となります。

本書の使われ方では「今、ここで起きていることに注意を向け、さらにそれに対して評価を加えずに受け入れる状態」とあります。

その前フリとして「年をとるほど、1年が早く感じられるという経験はないだろうか」との問いかけがあります(これTV番組「チコちゃんに叱られる」でもやっていましたね)。

座禅の瞑想に起源をもつ、このマインドフルネスが、マサチューセッツ大学で研究され、近年ではグーグルやゴールドマン・サックスといった名だたるグローバル企業が、この考え方を取り入れ仕事のパフォーマンスの向上や人間関係の改善に役立てようと用いられていると聞きます。

子育てにも効果はあるのでしょうか。タイトルにも惹かれ、Kindleの読み放題で見つけ、読み始めることにしました。

 

 

 

【本書のあらすじ】

 

版元(光文社)のH.P.によると(抜粋)――

身体心理学者である著者によれば「気づき」「感じ」「受け入れること」を大切にするマインドフルネスは子育てにこそ役立つという。

「心ここにあらず」で子どもと過ごすのではなく「今、目の前にいる子ども」に意識を向け「心を込めた時」「子どもを感じる時」を過ごしてみると、なぜ子どもの成長に、そして親自身の人生にもよい効果が生まれるのか。

本書では、さまざまな研究により明らかになってきた、脳レベルでの変化、身体的・心理的な効果を解説しながら、親自身が、そして子どもも取り組めるマインドフルネスの方法を紹介。また、著者の専門であるタッチングとマインドフルネスを統合させた「マインド・タッチング」も提唱する――とあります。

 

 

 

【著者について】

 

山口 創(やまぐち はじめ)氏は1967年静岡県生まれ。

早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。専攻は、健康心理学・身体心理学。

現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授。著書に『子供の「脳」は肌にある』(光文社新書)、『愛撫・人の心に触れる力』(NHKブックス)、『皮膚感覚の不思議』(講談社ブルーバックス)、『手の治癒力』(草思社)など多数――Kindle電子版より(一部略)。

 

 

 

【レビュー&エピソード】

 

幼い我が子と過ごす楽しい時間は、案外と短いものです。あっという間に我が子はすくすく成長し、親であるわが身はたちまち老い始め、親子が共有できる機会も時間もどんどんなくなっていきます。

せめて一緒にいられる間を大切に。その際のマインドフルな状態とは、良い面、悪い面といった思考は働かせずに、すべて評価せずに受け入れること。

そしていくら多忙であっても「心ここにあらず」ではなく「心を込めた」時を過ごすことと本書にはあります。先輩読者の多くの皆さんが、この2ケ所にハイライトを引いておりました。