ジャズとエロス ヴァイオリニストの音楽レシピ

CULTURE

2022.10.11

 

 

著者:牧山純子

出版社:PHP研究所

定価:924円(税込) 

※現在電子書籍のみ発売中

 

 

引く手あまたの美人ジャズヴァイオリストが初めて手掛けるジャズの手引書。
「エロス」という言葉をかけたのは、担当編集者のアイディア。でも、しっかり勉強して、その意図するところを本書のなかで落とし込んでいるのはサスガ。これまで、さまざまなテーマのコンサートを数多くこなしてきた経験と実力があるからでしょう。

 

著者は、幼い時からクラッシックに親しんだ武蔵野音楽大の出身者。
渡仏留学の経験もあり、そのまま順風に伝統音楽の道に進むのかと思いきや、突然現れた1枚のアルバム(「Side By Side」)が運命を変えたのですから面白いですね。

 

 

ジャズの勉強のためにアメリカのバークリー音楽大学に留学することで、著者の人生の舵は大きく切られていきますが、クラッシックとジャズは表現においては真逆の音楽ということが、本書のなかでも詳しく説明されています。

当初は大変だったようですが小澤征爾氏の励ましもあり、音楽の垣根を越えた一人前の演奏家に。
著者の成長する過程もよく伺えます。

著者自身の曲を始めジャズの名曲をBGMにして頁をめくれば、心地のよい読書の時間はあっという間に過ぎていきます。