【Book review】0メートルの旅

CULTURE

2021.06.18

著者/岡田 悠

ダイヤモンド社

定価:本体1600円+税

 

著者は30代前半の男性会社員。大学進学で上京後、いつしか旅が生きる目的に。訪れた国は70か国、国内は全都道府県に及びます。

 

バックパッカーに憧れて、海外ではあえてフツーの人が訪れない国や場所を好んで出立。そんな著者の旅行記だから、海外ではハプニング満載でボッタクリやカッパライもしょっちゅう。ハラハラしたかと思えば、助け人が現れてほっとしたり、著者と一緒に旅する気分でクイクイと読み進められます。

 

1章は海外編で「世界ウェブ記事大賞」を受賞した『イラン』を含む厳選の8か国。国名の脇に自宅からの距離がメートルで表示されています。最初は一番遠い「南極」で。2章は国内編で3章は近所編と別れます。

 

国内でも近所であっても、小さなエピソードを見つけては楽しむ著者に引っ張られてこちらも愉快な気分に。そしてコロナ禍で外に出られなくなっても(自宅から0メートルでも)「旅をする」情熱と工夫には脱帽。自宅に居ながら自転車で全国縦断? それもリアル?

 

道のりは気の向くまま? タイトルにもなったその答えは、頁をめくって見つけてください。旅への渇きが癒されるはずです。